判旨
道路交通法の罰則は成年者のみに適用されるものではないため、憲法14条の平等原則には違反しない。また、被告人の勾引を伴う第一審の訴訟手続に憲法31条、34条違反の不法不当な点は認められない。
問題の所在(論点)
道路交通法の罰則規定の適用範囲が憲法14条に違反するか。また、被告人を勾引して行われた第一審の訴訟手続が憲法31条および34条に違反するか。
規範
特定の法律の適用範囲が属性によって限定されているという誤解に基づく違憲主張は前提を欠く。また、刑事手続において適法な勾引手続がなされている場合には、憲法31条(適正手続)および34条(抑留・拘禁の理由提示)に違反する不当な手続とは評価されない。
重要事実
被告人が道路交通法違反等に問われた事案において、被告人は以下の主張を行い上告した。(1)道路交通法の罰則は成年者にのみ科せられるものであり憲法14条に違反する。(2)第一審において被告人を勾引した上で行われた訴訟手続は不法不当であり、憲法31条、34条に違反する。(3)自由心証主義を定めた刑事訴訟法318条は憲法15条に違反する。
あてはめ
まず、憲法14条違反の主張について、道路交通法の罰則は成年者のみに科せられる性質のものではなく、未成年者を含む全対象者に適用されるものであるから、不当な差別を前提とする違憲の主張は失当である。次に、第一審における勾引手続について、記録に照らしても原判決が説示する通り不法不当な点は認められず、憲法31条、34条が保障する適正な手続および正当な理由なき拘束の禁止を逸脱したものとはいえない。
結論
本件各訴訟手続および道路交通法の罰則規定に憲法違反の点はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
道路交通法の罰則が全年齢を対象とすることを確認するとともに、勾引手続の適法性が事後的に争われた際の判断枠組みを示している。司法試験上は、適正手続違反の主張に対して、具体的な手続の不当性が認められない場合の処理例として参照し得るが、本決定自体は極めて簡潔な判断に留まっている。
事件番号: 昭和44(あ)1049 / 裁判年月日: 昭和44年10月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】未起訴の事実を量刑の資料として考慮することは、それが実質的に当該事実を処罰する趣旨でない限り、憲法31条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が起訴された事実以外の事実(未起訴事実)について、第一審判決が判文中で言及した。弁護人は、この認定が実質的に未起訴事実を処罰する趣旨で量刑資料に供されたも…