一 全長約五〇〇メートルにわたる駐車禁止区間のうち、約一二六メートルの区間の道路幅員が約一八メートルであつて、その前後の幅員が一〇メートル内外であるのにくらべて、相当幅広く中ぶくれの状態になつていても、都市部に流入する車両数の抑制及び歩行者等交通弱者の保護を目的としてされた右駐車禁止の規制は、公安委員会の裁量の範囲を逸脱していない。 二 交通反則金納付の通告処分に対する不服申立の途がない現行法制は、憲法一三条、三二条に違反しない。
一 公安委員会の行つた駐車禁止規則が裁量の範囲を逸脱していないとされた事例 二 交通反則金納付の通告処分に対する不服申立の途がない現行法制の合憲性
道路交通法4条1項,道路交通法45条1項,道路交通法119条の2第1項1号,道路交通法127条1項,行政事件訴訟法3条2項,憲法32条
判旨
交通反則金納付の通告自体に対する不服申立ての途がない現行の交通反則通告制度は、憲法13条および32条に違反しない。
問題の所在(論点)
交通反則通告制度において、反則金の納付通告そのものを争うための独立した不服申立手段が欠如していることは、裁判を受ける権利(憲法32条)や適正手続(憲法13条・31条)に抵触し違憲となるか。
規範
交通反則通告制度(道路交通法第9章)において、反則金の納付通告は行政庁の勧告的行為にすぎず、これに応じるか否かは任意である。納付しなければ刑事手続へ移行し、裁判手続において防御の機会が保障されている以上、通告自体に対する直接の不服申立手段がなくとも、憲法13条(幸福追求権・適正手続)および32条(裁判を受ける権利)には反しない。
重要事実
被告人は、北海道公安委員会が行った道路の駐車禁止規制に違反したとして、道路交通法に基づき反則金の納付を通告された。被告人は、当該駐車禁止規制が裁量権を逸脱し違憲・違法であると主張するとともに、交通反則金の納付通告自体に対して行政手続上で争う不服申立ての途が用意されていない現行法制は、憲法13条、31条、32条等に違反するとして上告した。
あてはめ
交通反則金の通告は、それ自体が公権力の行使として義務を課すものではなく、刑事追訴を免れる機会を付与する行政上の勧告にすぎない。通告に不服がある者は、反則金を納付しないことを選択すれば、通常の刑事手続(起訴後の公判等)において当該規制の違法性や違反事実の有無を十分に争うことができる。したがって、刑事手続という事後の救済手段が確保されている以上、通告段階での不服申立制度を置かないことは合理的な制度設計の範囲内であり、憲法13条、32条が保障する適正な手続や裁判を受ける権利を侵害するものとはいえない。
結論
交通反則金納付の通告に対する不服申立の途がない現行法制は、憲法13条、32条に違反しない。
実務上の射程
行政法上の「処分性」の議論や、刑事手続における適正手続の保障の限界を検討する際の基礎となる判例である。答案上は、事後的な裁判手続が用意されていることを理由に、中間的な手続や勧告的行為に対する独立した不服申立ルートの欠如を合憲・適法とするロジックとして活用できる。
事件番号: 昭和41(あ)2677 / 裁判年月日: 昭和42年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】道路交通法の罰則は成年者のみに適用されるものではないため、憲法14条の平等原則には違反しない。また、被告人の勾引を伴う第一審の訴訟手続に憲法31条、34条違反の不法不当な点は認められない。 第1 事案の概要:被告人が道路交通法違反等に問われた事案において、被告人は以下の主張を行い上告した。(1)道…