裁判の解釈を求める申立事件についての特別抗告棄却事例
刑訴法501条
判旨
特別抗告の事由として違憲を主張していても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合には、刑訴法433条の抗告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
形式的に憲法違反を主張していても、その実質が法令違反である場合に、刑訴法433条の特別抗告理由として認められるか。
規範
最高裁判所に提出する特別抗告の事由(刑訴法433条)として認められるのは、憲法違反または判例違反に限定される。憲法違反を形式的に主張していても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合は、適法な抗告理由を構成しない。
重要事実
抗告人は、原決定に対し憲法違反を理由として特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には下級審の判断における法令の適用や解釈の誤りを指摘する、単なる法令違反の主張であった。
あてはめ
本件抗告の趣旨は憲法違反をいうものであるが、その具体的内容を検討すると、実質的には法令の解釈や適用に関する不服にすぎない。これは、同法433条が限定的に規定する憲法違反の事由には該当せず、特段の憲法的論点を含むものではないと判断される。
事件番号: 昭和43(し)10 / 裁判年月日: 昭和43年2月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判の解釈を求める申立てを却下する決定に対しては、刑事訴訟法504条に基づき高等裁判所へ即時抗告をすべきであり、これを経ずに直接最高裁判所へなされた特別抗告は不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、名古屋地方裁判所がなした「裁判の解釈を求める申立事件」を却下する決定に対し、不服があるとして最高…
結論
本件抗告は適法な抗告理由に当たらないため、棄却される。
実務上の射程
特別抗告や上告の際、憲法違反を形式的に主張して受理を目指す実務上の運用に対し、裁判所が実質的な内容を審査して門前払い(棄却・却下)にする際の根拠となる判例である。
事件番号: 昭和45(し)110 / 裁判年月日: 昭和46年1月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合は、適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、憲法13条、14条、32条、36条、37条、76条3項、99条違反を理由として本件特別抗告を申し立てた。 第2 問題の所…
事件番号: 昭和37(し)30 / 裁判年月日: 昭和37年11月20日 / 結論: 棄却
刑訴五〇一条の「裁判の解釈について疑があるとき」とは確定裁判の主文の趣旨について疑がある場合をいう。
事件番号: 昭和46(し)40 / 裁判年月日: 昭和46年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、判例違反を理由とする主張が判例の具体的な摘示を欠く場合、または単なる法令違反を主張するにすぎない場合は、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:申立人は本件について特別抗告を申し立てたが、その趣旨において判例違反を主張しながら、具体的にどの判例に違反するかという適示を欠い…
事件番号: 昭和58(す)143 / 裁判年月日: 昭和58年10月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対してなされた特別抗告を棄却した決定については、刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈を求める申立」をすることはできない。 第1 事案の概要:申立人は、再審請求を棄却した決定、及びこれに対する即時抗告を棄却した決定を経てなされた特別抗告棄却決定に対し、刑事訴…