判旨
刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合は、適法な抗告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
形式的に憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違反の主張である場合に、刑事訴訟法433条の特別抗告理由として認められるか。
規範
刑事訴訟法433条の特別抗告において、憲法違反等の主張がなされている場合であっても、その実質が単なる法令違反の主張であるときは、同条所定の抗告理由を構成しない。
重要事実
抗告人は、憲法13条、14条、32条、36条、37条、76条3項、99条違反を理由として本件特別抗告を申し立てた。
あてはめ
抗告人の主張は、形式的には憲法13条、14条等の憲法違反を指摘するものである。しかし、その主張の具体的内容を検討すると、実質的にはすべて単なる法令違反を主張するものと評価される。したがって、特別抗告において限定的に認められる憲法違反の理由には該当しないといえる。
結論
本件抗告は、刑事訴訟法433条の抗告理由にあたらないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
特別抗告の門前払いの論理として重要であり、答案上は、主張が憲法違反の評価にまで高まっているか、単なる法令違反の域を出ないかを区別する際に参照される。
事件番号: 平成3(し)43 / 裁判年月日: 平成3年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張して特別抗告がなされた場合であっても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎないときは、刑事訴訟法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し憲法11条、31条、32条違反を主張して特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には法令の…
事件番号: 昭和43(し)34 / 裁判年月日: 昭和43年11月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、実質的に単なる訴訟法違反を主張するものは、同条所定の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人が刑事訴訟法433条に基づき特別抗告を申し立てた事案。抗告人はその理由として憲法違反を主張していたが、その主張の実質は訴訟法違反を指摘するものであった。…
事件番号: 昭和56(し)47 / 裁判年月日: 昭和56年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の事由として違憲を主張していても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合には、刑訴法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し憲法違反を理由として特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には下級審の判断における法令の適用や解釈の…
事件番号: 昭和57(し)119 / 裁判年月日: 昭和57年11月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法違反や判例違反が主張されていても、実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合には、刑事訴訟法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原判断に判例違反および憲法違反があるとして特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の内容を精査したところ、原判断は引用され…
事件番号: 昭和55(し)93 / 裁判年月日: 昭和55年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法31条違反を主張しても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合は、刑事訴訟法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し、憲法31条(適正手続きの保障)に違反する旨を主張して最高裁判所に特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的内容…