韓国人であるため差別的取扱を受けたと認められないとして一四条違反の主張が欠前提とされた事例
憲法14条
判旨
被告人が韓国籍を有する外国人であることのみを理由に差別的取扱いをした事実は認められず、また自白調書の任意性を疑わせる証跡がない場合、憲法14条や38条違反の主張は前提を欠き、上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
刑事裁判において、被告人が外国人であることを理由に不利益な取扱い(憲法14条違反)を受けたといえるか。また、自白の任意性を疑わせる事情がない場合に、憲法38条違反の上告理由は成立するか。
規範
憲法14条違反の主張が認められるためには、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、公権力が法的に不当な差別的取扱いをした事実が必要である。また、憲法38条の自白排除法則が適用されるためには、当該自白が任意にされたものではないと疑うに足りる客観的な証跡が存在することを要する。
重要事実
被告人は韓国籍を有する外国人であった。被告人は、原判決が自己を外国人であるために差別的に取り扱ったとして憲法14条違反を主張し、さらに自白調書の任意性を欠くとして憲法38条違反等を理由に上告を申し立てた。
あてはめ
記録に照らしても、原判決が被告人の国籍を理由に差別的取扱いをしたと認められる資料は存在しない。したがって、憲法14条違反の主張は前提を欠く。また、自白調書についても、その任意性を疑わせるべき証跡は一切見当たらない。よって、憲法38条違反の主張も前提を欠く。その余の主張も、単なる事実誤認や法令違反にすぎず、適法な上告理由に該当しない。
結論
本件上告には憲法違反等の上告理由は認められず、刑訴法414条、386条1項3号に基づき棄却されるべきである。
実務上の射程
外国人に対する刑事裁判における平等原則の適用および、自白の任意性に関する証拠の必要性を示す。答案上は、憲法違反や任意性の主張が具体的根拠(証跡)を欠く場合に、これを排斥する際の簡潔な判示例として参照し得る。
事件番号: 昭和50(あ)2052 / 裁判年月日: 昭和51年3月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判において、被告人が外国籍であることを理由に差別的な取扱いがなされた事由が認められない限り、憲法14条(法の下の平等)に違反するものではない。 第1 事案の概要:韓国籍を有する被告人が、原判決において自身が外国人であることを理由に差別的な取扱いを受けたと主張した事案。被告人側は、原審の証拠調…