少年審判規則四三条二項などが憲法一四条、三一条、三二条に違反するとの主張が欠前提(立法政策)とされた事例
憲法14条,憲法31条,憲法32条,少審規43条2項
判旨
保護処分の決定に対する抗告の申立書の記載方式や抗告期間の定めは、専ら立法政策の問題であり、これらを定める少年審判規則が憲法14条、31条、32条に違反することはない。
問題の所在(論点)
保護処分の決定に対する抗告の申立方式や期間を定める少年審判規則の規定が、憲法14条、31条、32条に違反するか。
規範
不服申立の手続(申立書の記載方式や申立期間等)の具体的設計は、立法府の裁量に委ねられた「立法政策の問題」であり、合理的な範囲内である限り憲法14条(法の下の平等)、31条(適正手続)、32条(裁判を受ける権利)等の憲法規定に抵触するものではない。
重要事実
少年による保護処分決定に対する抗告手続において、抗告人が少年審判規則43条2項(抗告の申立理由の記載等)等の規定は憲法14条、31条、32条に違反し無効であると主張して、抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
少年審判規則43条2項等が定める抗告の方式や期間は、不服申立制度の円滑な運用を図るための手続的規定である。このような手続の詳細は立法政策上の合理的な裁量に基づくものと解される。したがって、当該規則が憲法上の権利を不当に制限するものとはいえず、違憲の前提を欠く。
事件番号: 昭和28(し)82 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に基づく再抗告は、同項に規定された事由がある場合に限り許容される。憲法違反を主張していても、実質的に原決定の不当(訴訟法違反)をいうにすぎない場合は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:申立人Aは、家庭裁判所の決定に対する抗告審の判断を不服として再抗告を申し立てた。…
結論
少年審判規則の当該各規定は憲法に違反せず、これを前提とした抗告棄却決定は相当である。
実務上の射程
手続法上の形式的要件(期間や方式)の違憲性を争う事案において、広範な立法裁量を認める判例として引用できる。司法試験の答案上は、少年法固有の論点というよりは、手続的権利と立法裁量の限界に関する一般論の補強として機能する。
事件番号: 昭和43(し)5 / 裁判年月日: 昭和43年1月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条に基づく再抗告において、実質的に単なる法令違反を主張するものや、事案の異なる判例の引用による判例違反の主張は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、少年審判の決定に対し再抗告がなされた事案である。再抗告人は、第一点として憲法違反を主張し、第二点として判例違反を主張…
事件番号: 昭和26(し)78 / 裁判年月日: 昭和26年12月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項の再抗告は、同条に規定された憲法違反または憲法解釈の誤り等の事由を理由とする場合に限り許容され、単なる事実誤認や処分の不当を主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:申立人は窃盗等の非行事実により中等少年院送致の保護処分を受けた。これに対し申立人は、(1)家からの持ち出し窃盗…
事件番号: 昭和54(し)68 / 裁判年月日: 昭和54年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項の再抗告理由において、事実誤認、単なる法令違反、および処分不当の主張は、いずれも適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、少年法に基づく決定に対して最高裁判所へ抗告(再抗告)を申し立てた。その際、申立ての理由として、原決定における事実の誤認、単なる法令違反、および…
事件番号: 平成20(し)147 / 裁判年月日: 平成20年7月11日 / 結論: その他
強盗致傷の非行事実を認定して少年を中等少年院送致とした家庭裁判所の決定が,抗告審で事実誤認を理由に取り消されて差し戻された場合において,受差戻審の家庭裁判所が検察官の申し出た証拠を取り調べなかった措置は,上記抗告審の決定が,受差戻審に更なる証拠調べを求めたものではなく,上記証拠を取り調べることにより同決定の結論が覆る蓋…