原判決の説示は被告人の表現の自由を侵害しようとしたものでないことが明白であるとして、憲法二一条違反の主張が「欠前提」とされた事例―いわゆる三里塚空港建設反対闘争事件―
憲法21条
判旨
憲法21条および29条の侵害を主張する上告に対し、原判決の説示は表現の自由を侵害するものではなく、また財産権の侵害をいう主張も前提を欠くため、憲法違反には当たらない。
問題の所在(論点)
板塀の設置行為等に対する処罰や法的判断が、憲法21条(表現の自由)および憲法29条(財産権)に抵触するか。
規範
特定の表現行為(本件では板塀の設置等)に対する法的規制が、表現の自由(憲法21条)や財産権(29条)を侵害するか否かは、当該判示がそれらの権利の核心を不当に制限しようとする意図や効果を持つかにより判断される。
重要事実
被告人らが特定の目的で板塀を設置した行為等に関し、法令違反を問われた事案において、被告人側が原判決の判断は表現の自由や財産権を侵害し憲法に違反するとして上告した。
あてはめ
原判決の説示は、被告人らの表現の自由を不当に侵害しようとしたものでないことは判文上明白である。また、財産権侵害の主張についても、原判決は主張されているような趣旨まで判示しているものではなく、憲法違反の前提を欠いている。
結論
憲法21条、29条違反の主張はいずれも前提を欠くか失当であり、本件上告は棄却される。
実務上の射程
具体的な表現行為が法令に抵触した際、その規制が表現の自由の侵害を意図したものでないことが明白であれば、合憲との判断が維持される。ただし、本決定は簡略な決定形式であり、具体的な判断基準の詳細については他の重要判例を参照する必要がある。
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