道交法七一条六号にもとずく公安委員会規則(つつかけサンダル履きの禁止)が同法の委任の範囲を超えないことが明らかであるとされた事例
憲法73条6号
判旨
道路交通法71条6号に基づく都道府県公安委員会の遵守事項(施行細則)の定めは、同法の委任の範囲を逸脱するものではなく、憲法31条、73条6号に違反しない。
問題の所在(論点)
道路交通法71条6号に基づき都道府県公安委員会が定める「運転者の遵守事項(施行細則)」は、同法による委任の範囲を逸脱し、憲法31条、73条6号に違反するか。
規範
行政機関への委任規定において、法律が具体的・限定的な委任を行っており、行政規則の内容がその委任の趣旨・目的の範囲内に留まる場合には、委任欠缺の違憲(憲法31条、73条6号)の問題は生じない。道路交通法71条6号は、道路における危険防止や交通の安全・円滑を図るために必要な事項を公安委員会に委任しており、その範囲内の規制であれば適法・有効である。
重要事実
被告人は、群馬県道路交通法施行細則が定める遵守事項に違反したとして道路交通法違反で起訴された。被告人は、当該細則の規定が法律(道路交通法71条6号)の委任の範囲を超えており、憲法31条(罪刑法定主義)および憲法73条6号(委任立法)に違反すると主張して上告した。
あてはめ
道路交通法71条6号は、運転者の遵守すべき事項を「公安委員会が定める」と明示している。群馬県道路交通法施行細則の当該条項は、道路交通の安全と円滑を確保するという法律の目的に基づき、地方の実情に応じて具体的な運転者の義務を定めたものである。これは法律が予定した委任の範囲内における技術的・専門的な細目規定であり、法律の趣旨を逸脱するものとは認められない。したがって、委任の範囲を逸脱しているとの主張は前提を欠く。
結論
本件施行細則は委任の範囲を超えず、憲法31条、73条6号に違反しない。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
白紙委任の禁止(憲法73条6号)に関する判例として、道路交通法の包括的委任の合憲性を認めたもの。行政法・憲法の「委任立法の限界」を論じる際、技術的性質が強い交通規制分野において広範な委任が肯定される例として活用できる。
事件番号: 昭和44(あ)1049 / 裁判年月日: 昭和44年10月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】未起訴の事実を量刑の資料として考慮することは、それが実質的に当該事実を処罰する趣旨でない限り、憲法31条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が起訴された事実以外の事実(未起訴事実)について、第一審判決が判文中で言及した。弁護人は、この認定が実質的に未起訴事実を処罰する趣旨で量刑資料に供されたも…