爆発物取締罰則一条が憲法三一条に違反するという主張が欠前提とされた事例
憲法31条
判旨
爆発物取締罰則1条が定める法定刑の重さは、立法政策の問題であり、憲法31条に違反するものではない。
問題の所在(論点)
爆発物取締罰則1条が定める法定刑の規定が、行為の態様にかかわらず画一的に重い刑を定めている点において、憲法31条(適正手続・罪刑均衡の原則)に違反するか。
規範
刑罰規定において、処罰の対象となる各態様の行為に対して等しく特定の法定刑を定めることは、立法府に委ねられた立法政策の問題であり、著しく不合理であることが明白でない限り、憲法31条の適正手続ないし罪刑均衡の観点から憲法違反となるものではない。
重要事実
被告人らは、爆発物取締罰則1条違反の罪に問われた。弁護側は、同条が処罰の対象となる様々な行為態様に対し、一律に死刑、無期または5年以上の懲役もしくは禁錮という重い法定刑を課している点は、憲法31条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
爆発物取締罰則1条が規定する各行為態様(爆発物を使用して人の身体を害し、または財産を損壊する等)に対し、所定の重い法定刑を課すことは、その犯罪の性質や社会的危惧の程度に照らした立法政策上の判断である。かかる法定刑の設定が憲法上の適否を左右するほど不当なものとは解されず、憲法判断の前提を欠く。
事件番号: 昭和53(あ)800 / 裁判年月日: 昭和53年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】爆発物取締罰則は憲法施行後も法律としての効力を有し、その1条が定める構成要件は明確であり、法定刑の重さも立法政策の範囲内で憲法に違反しない。 第1 事案の概要:被告人両名は、爆発物取締罰則違反等の罪で起訴された。弁護人は、同罰則が明治17年の太政官布告であり憲法上の「法律」にあたらないこと、1条の…
結論
爆発物取締罰則1条の規定は憲法31条に違反しない。
実務上の射程
法定刑の違憲性が争われる事案(罪刑均衡の原則)において、立法府の広い裁量を認める際の根拠として活用できる。本判決は、特定の犯罪類型に対する重罰化が直ちに違憲とはならないことを簡潔に示している。
事件番号: 昭和51(あ)252 / 裁判年月日: 昭和51年11月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】爆発物取締罰則は憲法施行後も法律として効力を有し、その1条が定める「治安ヲ妨ケ」の概念は憲法31条にいう明確性の原則に反せず、同条の法定刑も憲法36条の残虐な刑罰には当たらない。 第1 事案の概要:被告人は、所定の目的で爆発物を使用したとして爆発物取締罰則1条違反の罪に問われた。これに対し、被告人…