一級身体障害者の勾留が憲法三六条にいう残虐な刑罰の前提を欠くとされた事例
憲法36条
判旨
重度の身体障害者に対する勾留及び取調べであっても、病舎での専門的看護を付すなどの適切な配慮がなされている場合には、憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」や人道上残酷な扱いに該当しない。
問題の所在(論点)
重度の身体障害者に対する勾留及び取調べが、憲法36条の禁止する「残虐な刑罰」または人道上残酷な処遇に該当し、違憲となるか。
規範
身体拘束や捜査手続が憲法36条に抵触するか否かは、対象者の身体的状況に応じた適切な措置が講じられているかを考慮し、その実態が人道上残酷なものと認められるかによって判断される。
重要事実
被告人は一級の身体障害者であったが、刑事被告人として勾留され、取調べを受けた。この勾留に際して、当局は被告人を病舎に収容し、専門の看護を付すなどの具体的な配慮を講じていた。
あてはめ
被告人は一級身体障害者という特別な配慮を要する状態にあったが、勾留においては病舎への収容や専門的看護の提供といった必要な措置が講じられていた。このような配慮がなされている以上、勾留や取調べの実施が人道上残酷なものとは認められない。
結論
本件勾留及び取調べは憲法36条に違反せず、適法である。
実務上の射程
身体障害者等の社会的弱者に対する身体拘束の適法性を検討する際、単に身体的状況のみで判断せず、収容施設側の具体的配慮(看護体制等)の有無を考慮する判断枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和26(あ)480 / 裁判年月日: 昭和26年7月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」とは、刑罰の性質が人道的見地から不当に酷烈であることを意味するが、事実誤認や量刑不当の主張は適法な上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人は有罪判決を受け、その量刑等が不当であるとして上告した。上告趣意において、被告人および弁護人は、憲法違反(残虐な刑罰の禁…
事件番号: 昭和27(あ)5210 / 裁判年月日: 昭和28年3月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審で主張・判断されていない第一審の訴訟手続違背を上告理由とすることはできず、また、事実誤認を前提とした憲法違反の主張や単なる量刑不当の主張は適法な上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人が第一審の判決に対し控訴したが、控訴審判決後、上告審において新たに第一審の訴訟手続に違反がある旨を主…