刑の執行猶予言渡取消決定に対する特別抗告につき、憲法三二条、三一条違反の主張(刑訴法三四九条の二所定の弁護人選任権及び口頭弁論請求権の侵害)が欠前提とされた事例
憲法32条,憲法31条
判旨
弁護人選任権および口頭弁論を請求する権利の侵害が認められない限り、適正な手続を定めた憲法31条および裁判を受ける権利を定めた32条に違反しない。
問題の所在(論点)
刑事手続において弁護人選任権や口頭弁論の機会が保障されない場合、憲法31条(適正手続)および32条(裁判を受ける権利)に違反するか。
規範
憲法31条、32条が保障する適正な刑事手続の要請から、被告人には弁護人選任権および口頭による防御の機会が保障されるべきであるが、記録上これらの権利侵害が認められない場合には、憲法違反の問題は生じない。
重要事実
申立人が、自己の弁護人選任権および口頭弁論を請求する権利が侵害されたとして、憲法31条および32条違反を理由に特別抗告を申し立てた事案。
あてはめ
記録を精査しても、申立人が主張するような弁護人選任権の侵害や、口頭弁論を請求する権利の侵害の事実は認められない。したがって、憲法違反の前提となる事実関係が存在しないため、原判決の判断は相当であると解される。
事件番号: 昭和52(し)28 / 裁判年月日: 昭和52年4月13日 / 結論: 棄却
一 刑法二六条の二第二号が憲法三九条に違反しないことは、昭和四一年(し)第五九号同四二年三月八日大法廷決定(刑集二一巻二号四二三頁)の趣旨に照らして明らかである。(昭和四九年(し)第一一〇号同年一二月二日第二小法廷決定と同旨) 二 刑の執行猶予言渡取消手続の抗告審が口頭弁論を開くことなく非公開の裁判をしても憲法三一条に…
結論
本件において弁護人選任権等の侵害事実は認められず、憲法31条、32条違反にはあたらないため、本件抗告を棄却する。
実務上の射程
刑事手続の各段階における権利保障の有無を検討する際、抽象的な権利の存在だけでなく、記録上実際にその権利が不当に制限されたという事実の有無が憲法違反の判断に直結することを示す。
事件番号: 昭和54(し)76 / 裁判年月日: 昭和54年7月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法26条の2第2号に規定される「其情状重キトキ」という文言は、不明確であるということはできず、憲法31条に違反しない。 第1 事案の概要:執行猶予の言渡しを受けた者が、猶予期間中にさらに罪を犯し、罰金に処せられた等の事由により、刑法26条の2第2号に基づき執行猶予が取り消された。これに対し弁護人…
事件番号: 昭和51(し)64 / 裁判年月日: 昭和51年7月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法31条、39条、11条、13条違反を主張してなされた特別抗告について、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合には、刑訴法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定等に対し憲法31条(適正手続)、39条(不利益変更の禁止・一事不再理等)、11条(基本的人権の享有…
事件番号: 平成1(し)10 / 裁判年月日: 平成元年2月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑の執行猶予言渡取消手続の抗告審において、口頭弁論を開くことなく書面審理によって裁判を行うことは、憲法31条、32条、37条1項に違反しない。 第1 事案の概要:被告人に対し、刑の執行猶予言渡しの取消しがなされた。これに対し被告人が抗告を申し立てたところ、抗告審において口頭弁論が開かれることなく、…
事件番号: 昭和55(し)93 / 裁判年月日: 昭和55年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法31条違反を主張しても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合は、刑事訴訟法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し、憲法31条(適正手続きの保障)に違反する旨を主張して最高裁判所に特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的内容…