再度の異議申立棄却決定に対する特別抗告が不適法とされた事例
刑訴法433条,刑訴法428条
判旨
裁判官忌避申立の却下決定に対する異議申立が棄却された場合、これに対して再度異議を申し立てることは不適法である。
問題の所在(論点)
裁判官忌避申立の却下決定に対する異議申立が棄却された後、さらに重ねて異議を申し立てること(再度の異議申立)の可否が問題となる。
規範
刑事訴訟法における忌避申立却下決定に対する不服申立ては、適法な手続を経てなされた裁判に対する一度の救済機会を認めるものであり、当該救済手続においてなされた決定(棄却決定等)に対し、同一の理由で重ねて異議を申し立てることは許されない。
重要事実
申立人は、大阪高等裁判所に対し裁判官忌避申立を行ったが却下された。これに対し異議を申し立てたが、同月23日に棄却決定を受けた。申立人は、この棄却決定に対し、さらに翌年1月5日付で「準抗告申立」と題して再度異議を申し立てたが、原審はこの再度の申立を不適法として棄却した。申立人はこれを不服として特別抗告に及んだ。
あてはめ
申立人は、最初の忌避申立却下決定に対し適法に異議を申し立て、裁判所による審理・決定を経ている。昭和51年1月5日付でなされた申立は、先行する異議申立棄却決定に対する「再度の異議申立」に他ならない。刑事訴訟法上の救済手続は無限に繰り返されることを予定しておらず、一度なされた確定的な判断に対し重ねて不服を申し立てることは、法的な手続の安定性を害する。したがって、原判断が再度の申立を不適法としたのは正当である。
事件番号: 昭和44(す)53 / 裁判年月日: 昭和44年3月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした特別抗告を棄却する旨の決定に対し、さらに不服を申し立てることは法律上認められず、そのような申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、付審判請求事件に関して最高裁判所が昭和44年2月25日に下した「特別抗告を棄却する旨の決定」に対し、さらに「特別抗告及び裁判官忌避申立書」と…
結論
再度の異議申立は不適法であり、これを前提とする特別抗告は棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟手続における決定に対する異議や不服申立ての回数的限界を明示した。答案上では、忌避申立に限らず、決定に対する不服申立(刑訴法428条等)の場面で、一事不再理や手続の終結を基礎付ける理由として引用可能である。
事件番号: 昭和48(す)90 / 裁判年月日: 昭和48年4月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官の忌避の申し立てにおいて、申立人が主張する忌避事由が具体的かつ客観的な事実に基づかず、単なる不服や主観的な疑念に留まる場合には、当該申し立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:本件は、申立人が裁判官に対して忌避の申し立てを行った事案である。しかし、申立人が主張する具体的な事由の内容…
事件番号: 昭和50(し)80 / 裁判年月日: 昭和50年11月18日 / 結論: 棄却
いわゆる記名代印方式による書面でした忌避等の申立は、無効である。
事件番号: 昭和27(し)30 / 裁判年月日: 昭和27年5月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官が合議体の構成員として判決に関与しながら、出張等の事故により記名押印できない場合、他の裁判官がその理由を付記して記名押印することは、判決の効力に影響を及ぼさない正当な手続である。 第1 事案の概要:本件判決において、合議体の構成員である裁判官小谷勝重は、判決の合議および成立に関与したが、判決…
事件番号: 昭和27(し)41 / 裁判年月日: 昭和28年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が決定を下すに当たり、憲法に違反する憲法解釈上の誤りや、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令違反が認められない場合には、特別抗告を棄却すべきである。本件においては、憲法違反を主張する抗告人の主張に理由がないとして、特別抗告を棄却した。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して特別抗告を申し…