地裁又は高裁のした確定判決に対し最高裁に申し立てられた再審請求が管轄権を欠くとして棄却された事例
刑訴法438条,刑訴法446条
判旨
再審請求の管轄裁判所は、原則として再審の請求を受けた判決を言い渡した裁判所であり、最高裁判所に管轄権がない場合には、当該請求は不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
地方裁判所または高等裁判所の確定判決に対する再審請求について、最高裁判所に管轄権が認められるか、および管轄違いの請求に対する処理が問題となる。
規範
再審請求の管轄裁判所は、刑訴法438条に基づき、再審の請求を受けた判決を言い渡した裁判所である。管轄権のない裁判所に対してなされた不適法な再審請求については、同法446条に基づき決定でこれを棄却すべきである。
重要事実
請求人は、名古屋地方裁判所が言い渡した有罪の確定判決、および名古屋高等裁判所が言い渡した控訴棄却の確定判決の破棄を求め、最高裁判所に対して再審を請求した。
あてはめ
本件で請求人が破棄を求めているのは、名古屋地裁の第一審判決および名古屋高裁の控訴審判決である。刑訴法438条の規定に照らせば、本件の管轄裁判所は名古屋地裁または名古屋高裁であり、最高裁判所には管轄権が認められない。したがって、最高裁判所に対する本件請求は、適法な管轄を有しない裁判所に対してなされた不適法な申し立てに当たる。
事件番号: 昭和28(き)8 / 裁判年月日: 昭和28年11月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定は、証拠に基づいた実体判決ではないため、刑事訴訟法436条に定める再審事由を適用して再審を請求することはできない。 第1 事案の概要:請求人は、適法な上告理由に当たらないとして上告を棄却した確定決定に対し、再審を請求した。請求の具体的な理由は不明であるが、刑事訴訟法436条所定の再審…
結論
本件再審請求には管轄権がないため不適法であり、刑訴法446条により棄却する。
実務上の射程
本決定は、再審請求における管轄の重要性を確認するものである。答案作成上は、再審請求の適法性を論じる際、刑訴法438条の管轄要件を充足しているかをまず確認し、管轄違いの場合には刑訴法446条により不適法却下(決定による棄却)となるという形式的処理の根拠として用いる。
事件番号: 昭和23(ね)1 / 裁判年月日: 昭和24年3月5日 / 結論: その他
申請書添付の書類及び記録によつて明白な請求人が賍物牙保事件について、昭和二二年一月二八日東京區裁判所に於て有罪の判決を受け、之に對し控訴を申立てて同年五月一七日東京地方裁判所において再び有罪の判決を受け、上告を申立てて同年一〇月二一日東京高等裁判所において上告棄却の判決を受けている事實を參酌すると、本件再審の請求は第二…
事件番号: 昭和28(き)13 / 裁判年月日: 昭和28年9月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法上、上告を棄却した確定判決に対する再審は認められるが、確定決定に対する再審は規定がなく許容されない。 第1 事案の概要:本件は、最高裁判所においてなされた確定決定に対し、申立人が再審を請求した事案である。申立人は末尾添付の再審申立書に基づき、何らかの事由により再審を求めたが、その対象は判…
事件番号: 昭和28(き)17 / 裁判年月日: 昭和28年12月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の確定判決に対する再審は刑訴法436条に規定があるが、上告が不適法または理由不備としてなされた上告棄却の決定に対しては、再審を許容する規定はなく、これを許すべきではない。 第1 事案の概要:請求人は、過去になされた上告棄却の決定に対し、再審請求を申し立てた。当該決定(原確定裁判)は、請求人…
事件番号: 昭和29(き)5 / 裁判年月日: 昭和29年5月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法上、再審の対象は「確定判決」に限定されており、上告を棄却した「確定決定」に対する再審請求は認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が昭和29年3月10日にした上告棄却決定に対し、再審の申立てを行った。なお、本件の基礎となる具体的な事案内容については判決文からは不明である。 …