刑法二五条一項一、二号があるために執行猶予を受け得なかつたとして右条号の違憲(一四条)をいう主張が欠前提とされた事例
刑法25条
判旨
刑の執行猶予を言い渡すか否かは、被告人が刑法25条1項各号に定める要件を充足していることを前提とするものであり、同要件を欠く場合に執行猶予を付さないことは、憲法14条の平等原則に反しない。
問題の所在(論点)
刑法25条1項各号の要件を充足しない被告人に対し、刑の執行猶予を付さないことが、憲法14条の法の下の平等に違反するか。
規範
刑法25条1項の各号に定める要件を欠く被告人に対して、刑の執行猶予を言い渡さないことは適法であり、かかる合理的区別に基づく扱いは、憲法14条の法の下の平等に反しない。
重要事実
被告人が刑事裁判において有罪判決を受けた際、刑の執行猶予の言い渡しを受けられなかった。これに対し、弁護人は、執行猶予が付されなかったことは憲法14条(平等原則)に違反する旨を主張して上告した。
あてはめ
原判決の認定によれば、被告人は刑法25条1項1号または2号に定める執行猶予の適格要件(「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない」等の要件)を欠いていた。このように、法律が定める客観的な猶予要件を満たさない以上、他の被告人と異なる取り扱い(実刑判決)を受けることには合理的理由があるといえる。したがって、平等原則違反を主張する前提を欠いていると判断される。
事件番号: 昭和54(あ)267 / 裁判年月日: 昭和54年6月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法25条1項2号が、前科のある者に対して執行猶予の要件を厳格に定めていることは、憲法14条の法の下の平等及び39条の一事不再理・二重処罰の禁止に違反しない。 第1 事案の概要:上告人は、刑法25条1項2号の規定(前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日等から5年以内に禁錮…
結論
被告人が刑法25条1項の要件を欠く場合に執行猶予を付さないことは、憲法14条に違反しない。
実務上の射程
執行猶予の付与が裁判所の裁量に属する前段階として、刑法25条の規定する欠格事由に該当しないことが必要であることを確認するものである。答案上は、執行猶予の要件充足性を検討する際の合憲的基礎として機能するが、本決定自体は非常に簡潔な判示にとどまっている。
事件番号: 昭和47(あ)1953 / 裁判年月日: 昭和48年1月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を理由とする上告において、原審で主張・判断を経ていない事由は適法な上告理由にならず、量刑不当の主張も刑訴法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:被告人が憲法14条(法の下の平等)および憲法22条(居住、移転及び職業選択の自由)に違反する旨を主張して最高裁判所に上告した事案。し…
事件番号: 昭和46(あ)1183 / 裁判年月日: 昭和46年7月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法25条2項は憲法14条1項および39条後段に違反せず、また刑法25条の2第2項および3項は憲法31条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は再度の執行猶予の可否や、保護観察の仮解除がなされなかったことの不当性を理由に、刑法25条2項、および25条の2第2項、3項の違憲性を主張して上告した。判…