一、いわゆる分割審理が正当であるとして違憲の主張が欠前提とされた事例 二、裁判官が会同によつて影響を受けたとの違憲の主張が欠前提とされた事例
憲法31条,憲法32条,憲法37条1項,憲法76条
判旨
法律上共犯関係に立たない多数の事件との併合審理を求める被告人の統一公判要求を退けることは、被告人の裁判を受ける権利等を侵害せず正当である。
問題の所在(論点)
法律上の共犯関係にない別個の多数事件について、被告人が統一的な審理(併合審理)を求めた場合に、裁判所がこれを拒否することが憲法31条(適正手続き)や32条(裁判を受ける権利)に違反するか。
規範
公判の併合(刑訴法313条1項)は、裁判所の広範な裁量に委ねられており、関連性のない事件や共犯関係にない事件まで併合して審理すべき義務を裁判所は負わない。
重要事実
被告人らは、自らの被告事件と「昭和44年10月11月闘争」と称される多数の別個の事件について、一括して審理を行う「統一公判」を要求した。しかし、これら多数の事件と本件被告事件とは、実体法上の共犯関係に立つものではなかったため、第一審および控訴審は当該要求を容れず、限定的な範囲での併合審理に留めた。
あてはめ
本件において、被告人が併合を求めた多数の事件は、本件被告事件と法律上の共犯関係にない。裁判所が審理の効率性や適正を考慮し、併合の範囲を相当な程度に留めた判断は、裁判所の裁量権の範囲内である。したがって、被告人らの主張する「統一公判要求」を容れなかった措置に憲法上の問題は認められない。
事件番号: 昭和50(あ)887 / 裁判年月日: 昭和51年1月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法律上共犯関係にない多数の事件との併合審理を拒否すること、及び国選弁護人の辞任申出を却下し弁護活動を継続させることは、特段の事情がない限り被告人の権利を侵害するものではない。 第1 事案の概要:被告人らは、自らの事件と「昭和44年10月11月闘争」と称される多数の別事件との併合審理(統一公判)を求…
結論
被告人らの統一公判要求を容れず、併合審理の範囲を限定した裁判所の判断は適法であり、憲法違反には当たらない。
実務上の射程
裁判所の公判分離・併合に関する裁量を肯定する例。実務上、被告人側が運動方針として主張する広範な併合要求に対し、裁判所が事件の関連性(共犯関係の有無等)を基準に裁量でこれを制限できる根拠となる。
事件番号: 昭和50(あ)1541 / 裁判年月日: 昭和51年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における弁論の併合・分離は受訴裁判所の合理的裁量に委ねられており、共同被告人のいわゆる分割審理も裁判所の合理的判断に基づく限り適法である。 第1 事案の概要:被告人が共同被告人とされた事件において、第一審裁判所がいわゆる「分割審理」を行い、弁論を併合せず、あるいは一部を切り離して審理を進め…
事件番号: 昭和50(あ)1860 / 裁判年月日: 昭和51年1月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における分割裁判(分離公判等)の実施は、受訴裁判所の合理的な裁量の範囲内に属し、その裁量を逸脱しない限り、憲法31条や37条に違反するものではない。 第1 事案の概要:被告人側が、第一審において行われたいわゆる分割裁判の実施について、憲法37条(公平な裁判所の迅速な裁判)、31条(適正手続…
事件番号: 昭和50(あ)1322 / 裁判年月日: 昭和52年8月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁論の分離及び併合は、受訴裁判所の広範な裁量に属する事項であり、審理の効率性や被告人の防御権等を考慮してなされた措置は、特段の事情がない限り適法である。 第1 事案の概要:被告人が関与した刑事事件において、第一審裁判所が複数の事件の併合審理を決定した。これに対し、被告人側は当該併合審理の措置が憲法…
事件番号: 昭和48(あ)2866 / 裁判年月日: 昭和49年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における分割審理(併合罪の一部分離・先行審理)は、審理の便宜上やむを得ない事情があり、かつ被告人の防御権に著しい支障を与えない限り、憲法31条、37条等に違反せず適法である。 第1 事案の概要:被告人が関与したとされる事件につき、第一審裁判所がいわゆる「分割審理」の手法を用いた。これに対し…