原判決の憲法解釈の当否が原判決の結論に影響するものでないことがその判示自体において明らかであるとして憲法三七条一項、八二条違反の主張が不適法とされた事例
憲法37条2項,憲法82条
判旨
上告趣意における憲法違反等の主張が、原判決の結論に影響を及ぼさないことが明らかである場合には、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
刑訴法405条各号所定の上告理由の存否。特に、原判決の結論に影響を及ぼさない判断の誤りが、適法な上告理由となり得るか。
規範
上告理由として憲法違反(憲法37条1項、82条)や判例違反を主張する場合であっても、当該指摘が原判決の結論に影響を及ぼさないことが明らかであれば、刑訴法405条所定の上告理由には該当しない。
重要事実
弁護人が、原判決及び一審判決の判断に、憲法37条1項(被告人の権利)や82条(裁判の公開)の違反、および判例違反があるとして上告を申し立てた事案。しかし、具体的な事案の内容や下級審の具体的な判断内容については、本決定文からは不明である。
あてはめ
所論が指摘する判例違反については、引用された各判例が本件と事案を異にするため、適切ではない。また、憲法違反の指摘についても、原判決及び一審判決の判断内容に照らせば、それが原判決の結論に影響を及ぼさないことは明らかである。したがって、事実誤認の主張を含め、いずれも刑訴法405条の上告理由には当たらないと評価される。
事件番号: 昭和41(あ)1697 / 裁判年月日: 昭和48年3月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、検察官の上告について、引用された判例が事案を異にすること、及び単なる法令違反の主張であることを理由に、刑訴法405条の上告理由に当たらないとして棄却したものである。 第1 事案の概要:検察官が判例違反および法令違反を理由として上告を申し立てた事案。検察官は上告趣意において特定の判例を引用…
結論
本件各上告を棄却する。
実務上の射程
本件は刑事訴訟法上の上告理由の形式的な不備を理由に棄却された事案であり、実体的な規範の提示はない。実務上は、上告理由書において単に憲法違反等を主張するだけでなく、それが判決の結果にどう影響したか(可分性の有無等)を論証する必要性を示唆する。
事件番号: 昭和46(あ)335 / 裁判年月日: 昭和50年2月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法28条違反をいう上告趣意について、その実質が単なる法令違反や事実誤認の主張にすぎない場合は、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:弁護人は、被告人(氏名・属性は判決文からは不明)の行為に関し、憲法28条(労働基本権)違反を理由として上告を申し立てた。しかし、当該主張の内…
事件番号: 昭和27(あ)3195 / 裁判年月日: 昭和28年10月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審で主張・判断されなかった第一審判決の訴訟手続上の違法については、上告審において新たに主張することはできず、上告理由として採用されない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人は、第一審判決に訴訟法上の違反があるとして上告を申し立てた。しかし、当該違反の事由については、原審(控訴審)において控訴趣意…
事件番号: 昭和48(あ)369 / 裁判年月日: 昭和48年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由として主張された判例違反が認められず、その他の主張も刑訴法405条の上告理由に該当しないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が上告を申し立てた際、弁護人は福岡高等裁判所昭和24年11月2日の判決を引用して判例違反を主張した。あわせて、単なる法令違反および量刑…
事件番号: 昭和56(あ)1044 / 裁判年月日: 昭和57年4月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法14条、28条、31条違反の主張が、実質的に事実誤認や単なる法令違反をいうものである場合、刑訴法405条所定の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人らの弁護人が、憲法14条(法の下の平等)、28条(労働基本権)、31条(適正手続の保障)違反を理由として上告を申し立てた事案。しかし、…