憲法三一条、三四条違反の主張が具体性を欠いて不適法とされた事例
法廷秩序維持規則18条,法廷秩序維持規則16条
判旨
法廷等の秩序維持に関する規則に基づく抗告において、原決定の憲法違反を主張する場合には、具体的な理由の提示が必要であり、これを欠く抗告は不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
法廷等の秩序維持に関する法律および規則に基づく抗告において、憲法違反を主張する際の主張の具体性が、抗告の適法性に与える影響が問題となる。
規範
法廷等の秩序維持に関する規則に基づく抗告が適法であるためには、原決定のどの判断が、いかなる理由で憲法(本件では31条、34条)に違反するのかについて、具体的な主張を提示しなければならない。
重要事実
抗告人は、原決定に対し、憲法31条(適正手続き)および34条(抑留・拘禁に関する権利)に違反する旨を主張して抗告を申し立てた。しかし、その主張には、原決定のいかなる判断がどのような理由で憲法に違反するのかという具体的な根拠が示されていなかった。
あてはめ
本件抗告の趣旨を検討すると、憲法31条および34条違反を単に掲げるのみで、原決定の具体的な判断内容と憲法規定との抵触関係を説明する論証が欠如している。このような具体的な主張を欠く申し立ては、法廷等の秩序維持に関する規則19条、18条、16条の定める適法な抗告理由としての要件を満たさないと評価される。
事件番号: 昭和49(し)40 / 裁判年月日: 昭和49年5月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条違反の主張が、原裁判所による記録精査の欠如という事実を前提とする場合、その前提事実が認められない限りは適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人が、原裁判所が記録を精査することなく異議申立てを棄却したと主張し、これを前提として憲法37条違反を訴え、本件抗告に至った。しかし、…
結論
抗告は具体的な抗告理由を欠き不適法であるため、棄却される。
実務上の射程
本決定は、法廷秩序維持法に基づく制裁手続きにおける不服申立ての形式的要件を厳格に解するものである。答案上は、特別抗告や法廷秩序維持法に基づく抗告において、単なる憲法条項の列挙では足りず「具体的理由の提示」が必要であるという手続的適法性の文脈で使用する。
事件番号: 昭和52(秩ち)2 / 裁判年月日: 昭和52年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律2条に基づく制裁措置は、憲法31条、32条、34条、37条に違反するものではない。 第1 事案の概要:抗告人が、秩序維持法2条に基づく裁判所の措置(制裁)に対し、同法2条および当該裁判が憲法31条、32条、34条、37条に違反するものであると主張して特別抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和60(秩ち)1 / 裁判年月日: 昭和60年11月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律に基づく制裁手続は、通常の刑事裁判の手続とは異なる簡易なものであるが、憲法31条等の刑事手続上の保障が及ばないわけではなく、その趣旨に反しない限度で適憲とされる。本法による監置決定は、裁判官の面前等で行われた秩序を乱す言動に対し、法廷の尊厳と審判の適正を確保するために行…
事件番号: 昭和34(し)31 / 裁判年月日: 昭和34年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法違反を主張する場合、申立書において原決定のいかなる部分がいかなる理由で憲法のどの条項の解釈を誤っているかを具体的に明示すべきであり、これがない場合は不適法となる。 第1 事案の概要:申立人(弁護人)が、原決定には憲法解釈の誤りがあるとの主張を掲げて特別抗告を申し立てた。しか…
事件番号: 昭和53(秩ち)2 / 裁判年月日: 昭和53年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法廷等の秩序維持に関する法律及び同法に基づく監置決定は、憲法18条、25条1項、31条、34条、37条、82条1項等の各規定に違反するものではない。 第1 事案の概要:抗告人が、法廷等の秩序維持に関する法律に基づき下された監置決定に対し、憲法15条2項、18条、25条1項、31条、32条、34条、…