刑事補償の請求が認容された事例
刑事補償法1条1項,刑事補償法4条1項,刑事補償法4条2項
判旨
無罪の判決が確定した場合において、抑留または拘禁を受けた者は、刑事補償法に基づき、その日数に応じた補償金の交付を請求できる。
問題の所在(論点)
無罪判決が確定した請求人に対し、身柄抑留期間に応じた刑事補償を認めるべきか、またその算定をいかに行うべきか。
規範
刑事補償法1条1項に基づき、刑事訴訟法により無罪の判決を受けた者は、その事件につき受けた抑留又は拘禁の日数に応じ、同法4条所定の割合による補償金の交付を請求することができる。裁判所は、同法4条1項・2項の範囲内で、事案に応じた適正な額を決定する。
重要事実
請求人は、現住建造物等放火被告事件につき起訴された。第一審で無罪、控訴審で有罪判決を受けたが、最高裁判所において控訴審判決が破棄され、無罪判決が言い渡されて確定した。請求人は本件に関し、逮捕・勾留により合計132日間にわたって身柄を抑留・拘禁されていた。
あてはめ
請求人は最高裁判所の判決により無罪が確定しており、刑事補償法1条1項の要件を充足する。抑留・拘禁の期間は逮捕から保釈までの計132日間である。これに対し、同法4条の規定(当時の基準)に照らし、1日あたり2,200円を交付するのが相当であると解される。算定式は「132日間 × 2,200円 = 290,400円」となる。
結論
請求人に対し、金29万400円を交付する。刑事補償法16条前段に基づき、請求を認容する。
実務上の射程
本決定は、刑事補償法の基本的な適用場面(無罪確定による身柄拘束の補償)を確認したものである。実務上は、無罪判決を得た後の補償請求手続において、拘禁日数の確定と1日あたりの補償額の裁量的判断(当時の上限額等に基づく)を行う際の基準となる。
事件番号: 昭和32(も)1 / 裁判年月日: 昭和33年7月23日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】無罪の裁判が確定した者は、刑事補償法に基づき、身柄拘束を受けた日数に応じた補償を国に請求できる。本件では、詐欺罪で起訴され後に無罪が確定した請求人に対し、未決抑留日数10日分について1日400円の割合による補償金の交付が認められた。 第1 事案の概要:請求人は、詐欺罪の嫌疑により昭和26年3月21…