標題「再上告申立書」をもつて、上告棄却決定に対する異議と解した事例
刑訴法385条2項
判旨
最高裁判所がした上告棄却の決定に対しては、刑事訴訟法上、再上告の申立てをすることは許されない。
問題の所在(論点)
最高裁判所がした上告棄却の決定に対し、さらに「再上告」等の不服申立てを行うことができるか、また形式上不適法な申立てをどのように取り扱うべきかが問題となる。
規範
最高裁判所がした上告棄却の決定に対し、不服申立てとして「再上告」を行うことは、現行の刑事訴訟手続の体系上、認められない。ただし、その性質が決定に対する異議の申立てと解される場合には、異議申立てとして受理し、その理由の有無を判断すべきである。
重要事実
申立人Aは、自身に対する道路交通法違反被告事件に関し、最高裁判所が昭和49年2月28日に行った上告棄却決定に不服を抱き、最高裁判所に対し「再上告申立書」と題する書面を提出した。
あてはめ
申立人が提出した書面は「再上告申立書」と標榜されているが、最高裁判所の決定に対してかかる申立てをすることは法律上許されない。もっとも、裁判所はこれを実質的に見て「決定に対する異議の申立て」と認めて審理を行った。その結果、本件決定を覆すべき法的な理由は認められず、申立てには理由がないと判断される。
事件番号: 昭和49(す)304 / 裁判年月日: 昭和49年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした上告受理決定をしない旨の措置に対し、刑事訴訟法上の特別抗告を申し立てることは法律上許されない。 第1 事案の概要:申立人は、道路交通法違反被告事件(控訴審判決)について最高裁判所に上告を試みたが、最高裁判所はこれについて上告受理決定をしなかった。申立人は、この「上告受理決定をしなか…
結論
本件申立ては不適法または理由がないため、棄却される。
実務上の射程
最高裁の決定に対する不服申立ての限界を示すものである。実務上、最高裁の終局的判断に対する再度の不服申立ては原則として認められず、誤用された名称であっても実質的に異議申立てとして処理される運用を確認する際に参照される。
事件番号: 昭和45(す)122 / 裁判年月日: 昭和45年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が上告を棄却した決定に対しては、刑訴法414条及び386条2項に基づき異議の申立てをすることは可能であるが、決定の訂正を求める申立てをすることは許されない。 第1 事案の概要:最高裁判所が、刑事訴訟法414条、386条1項3号に基づき、被告人の上告を棄却する決定を下した。これに対し、被告…
事件番号: 昭和28(す)170 / 裁判年月日: 昭和28年4月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告を棄却した決定に対しては、異議の申立てをすることはできない。本判決は過去の大法廷決定を維持し、当該申立てを不適法として棄却した。 第1 事案の概要:被告人Aが提起した上告に対し、最高裁判所はその上告趣意が刑事訴訟法405条各号の事由に該当しな…
事件番号: 昭和45(す)315 / 裁判年月日: 昭和46年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした上告棄却の決定に対する異議の申立てにおいて、申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ法定の異議申立期間内に理由書が提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対する道路交通法違反等の事件について、最高裁判所が上告棄却の決定をした。これに対し、…
事件番号: 昭和57(す)19 / 裁判年月日: 昭和57年4月7日 / 結論: 棄却
上告棄却決定に対する異議申立については、上訴権回復に関する規定の準用がある。