忌避申立(標題は解任請求)を原因に示していないから不適法であると簡易却下した事例
刑訴法24条1項
判旨
裁判官の忌避の申立てにおいて、申立ての原因(忌避を必要とする具体的な事由)が示されていない場合は、手続上の要件を欠く不適法なものとして却下される。
問題の所在(論点)
裁判官の忌避の申立て(刑事訴訟法21条)において、その原因を示さずになされた申立ての適法性が問題となる。
規範
刑事訴訟法21条および刑事訴訟規則9条2項に基づき、裁判官の忌避を申し立てる際には、忌避の原因を具体的に示さなければならない。原因が示されない申立ては、申立権の濫用防止および訴訟遅延の回避の観点から、方式を欠く不適法な申立てとして却下される。
重要事実
窃盗、非現住建造物放火、住居侵入の罪に問われている被告人が、最高裁判所の担当裁判官2名(大隅健一郎、下田武三)に対し、忌避(書面上の標題は「解任請求」)を申し立てた。しかし、当該申立書には忌避を基礎づける具体的な原因や事由が一切記載されていなかった。
あてはめ
被告人は「解任請求」と題して裁判官の忌避を申し立てているが、刑事訴訟規則9条2項が要求する「原因」の明示を欠いている。忌避制度は裁判の公正を確保するためのものであるが、具体的理由を欠く申立ては法的な形式を充足しているとはいえず、実質的な審理を行う余地がない不適法な申立てと評価せざるを得ない。
結論
本件忌避の申立ては原因を示していないため不適法であり、刑事訴訟法24条1項および刑事訴訟規則9条2項に基づき却下される。
実務上の射程
刑事訴訟法上の忌避手続における形式的要件(原因の明示)の重要性を示す。実務上、具体的な忌避事由を欠く申立ては、本案裁判所が簡易却下(法24条1項)を行う際の典型的な事例として位置付けられる。
事件番号: 昭和42(す)368 / 裁判年月日: 昭和42年12月21日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】裁判官に対する忌避の申立について、申立理由とされる事実が認められない場合には、刑事訴訟法23条に基づき当該申立を却下する。 第1 事案の概要:傷害被告事件の被告人が、最高裁判所第一小法廷の入江裁判官に対し、特定の事由(詳細は判決文に記載なし)を挙げて忌避の申立を行った事案。 第2 問題の所在(論点…