接見指定処分の効力を争う利益がないとして特別抗告が棄却された事例
憲法37条
判旨
勾留処分に対する不服申立てにおいて、当該勾留の期間が既に経過している場合には、処分の効力を争う利益が失われるため、申立ては不適法(理由がない)となる。
問題の所在(論点)
既に期間が経過し、終了した勾留処分について、特別抗告を提起してその効力を争う利益(訴えの利益)が認められるか。
規範
処分に対する不服申立てが認められるためには、当該処分の効力を争う実益(訴えの利益)が存続していなければならない。既に効力を失った処分の取り消しを求めることは、原則として許されない。
重要事実
検察官による勾留処分がなされたが、特別抗告の審理時点において、当該勾留処分の対象となっていた期間(昭和49年4月24日まで)は既に経過していた。
あてはめ
本件における検察官の勾留処分は、昭和49年4月24日までの期間を対象としたものである。最高裁判所が判断を下す時点において、この期間は既に徒過しており、処分の効力は過去のものとなっている。したがって、現在においてこの処分の効力を争い、これを取り消すことによって得られる法的利益はもはや存在しないというべきである。
事件番号: 昭和33(し)6 / 裁判年月日: 昭和33年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】接見指定に関する準抗告棄却決定に対する特別抗告において、既に弁護人が接見を終えている場合や、公訴提起または釈放により接見指定の規定が適用される余地がなくなった場合には、原決定を取り消す実益がなく、抗告は理由がない。 第1 事案の概要:弁護人が、検察官による接見指定に対して不服を申し立てた事案。しか…
結論
本件特別抗告は、処分の効力を争う利益を欠くため、理由がないものとして棄却される。
実務上の射程
刑事手続における身体拘束等の処分に対する不服申立て(準抗告・抗告等)において、期間満了や釈放により拘束が解かれた場合に、なお「不服申立ての利益」が認められるかという文脈で活用される。原則として利益は消滅するが、本決定は例外(名誉回復や将来の同種処分の反復可能性など)を認める余地については言及していない点に注意が必要である。
事件番号: 昭和50(し)48 / 裁判年月日: 昭和50年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】接見指定処分により指定された日時が経過した後に申し立てられた不服申立ては、もはや処分の取り消し等によって回復すべき法律上の利益を欠き、不適法である。 第1 事案の概要:検察官は昭和50年6月12日、弁護人に対し、同年6月16日までは被告人と接見させない旨の接見指定処分を行った。弁護人はこの処分を不…
事件番号: 昭和44(し)21 / 裁判年月日: 昭和44年4月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】接見指定の取消又は変更を求める権利は、身体拘束中の被告人・被疑者に認められるものであるから、釈放後は申立ての利益を欠き、原決定を取り消す実益がない。 第1 事案の概要:申立人は、裁判官の発した勾留状により勾留されていた被疑者であった。申立人は検察官が行った接見指定に対して不服を申し立てていたが、最…
事件番号: 昭和50(し)49 / 裁判年月日: 昭和50年6月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】検察官による接見禁止処分の解除期限が経過した後に提起された不服申立ては、もはや処分の効力が消滅しており、取り消す実益がないため、法律上の利益を欠き不適法となる。 第1 事案の概要:東京地方検察庁の検察官は、昭和50年6月12日、抗告人と被告人Aとの接見について「同年6月16日ころまで認めない」旨の…
事件番号: 昭和42(し)1 / 裁判年月日: 昭和42年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留に対する準抗告を棄却した決定に対し特別抗告がなされた場合であっても、被疑者が釈放されたときは、当該抗告について裁判をする実益がない。 第1 事案の概要:被疑者は銃砲刀剣類所持等取締法違反等の容疑で勾留され、これに対する準抗告が棄却されたため、弁護人が特別抗告を申し立てた。しかし、当該特別抗告の…