不適法な不服申立を棄却する決定に対する特別抗告の処理方法
判旨
高等裁判所が行った異議申立に対する棄却決定に対し、さらに重ねて異議の申立てを行うことは法的に許容されない。不適法な異議申立てを前提とする事実誤認や単なる法令違反の主張も、同様に不適法として退けられる。
問題の所在(論点)
高等裁判所がなした「異議申立棄却決定」に対し、さらに同裁判所へ異議の申立てを行うことの可否、およびそれを前提とした不服申立ての適法性が問題となる。
規範
刑事訴訟法上、高等裁判所が下した異議申立棄却決定という裁判に対し、同一の裁判所に対して重ねて異議の申立てを行う(再異議の申立て)を認める規定は存在しない。したがって、一度なされた異議申立棄却決定に対してさらに異議を申し立てることは、手続上不適法である。
重要事実
申立人は、仙台高等裁判所による控訴棄却決定に対し異議の申立てを行ったが、同裁判所から異議申立棄却決定を受けた。申立人は、この棄却決定に対し、さらに同裁判所へ異議の申立て(再異議)を行ったところ、昭和49年9月25日に不適法として棄却された。申立人はこれを不服として最高裁判所に対し本件申立てに及んだ。
あてはめ
申立人が行った行為は、高等裁判所の異議申立棄却決定という裁判に対し、重ねて異議の申立てを行うものである。しかし、高等裁判所の決定に対する不服申立手続として、同一の裁判所に重ねて異議を申し立てることは法的に許容されていない。そのため、申立人の行った再異議の申立ては不適法といわざるをえない。また、本件申立ての内容は実質的に事実誤認や単なる法令違反を主張するものであるが、不適法な前提に基づく以上、本件申立ても同様に不適法であると解される。
結論
事件番号: 昭和44(す)53 / 裁判年月日: 昭和44年3月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした特別抗告を棄却する旨の決定に対し、さらに不服を申し立てることは法律上認められず、そのような申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、付審判請求事件に関して最高裁判所が昭和44年2月25日に下した「特別抗告を棄却する旨の決定」に対し、さらに「特別抗告及び裁判官忌避申立書」と…
高等裁判所の異議申立棄却決定に対する再度の異議申立ては許されず、本件申立ては不適法として棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟手続における不服申立制度の終局性を確認する判例である。答案上は、明文の規定がない独自の不服申立てがなされた際、手続の安定性の観点から「再異議」を否定する論理として活用できる。特に決定に対する不服申立方法(刑訴法428条、433条等)の文脈で、申立経路の適法性を検討する際の基礎となる。
事件番号: 昭和28(し)100 / 裁判年月日: 昭和29年2月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項及び3項の異議申立てを認める余地はなく、かかる不適法な申立ては特別抗告の対象となり得ない。 第1 事案の概要:申立人は、大分地裁による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高裁から期間経…
事件番号: 昭和28(し)104 / 裁判年月日: 昭和29年4月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項および3項の異議申立ての規定を適用する余地はなく、当該異議申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、大分地方裁判所による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高等裁判所は即時抗…
事件番号: 昭和49(き)4 / 裁判年月日: 昭和49年5月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求を棄却した決定に対して、更に再審を請求することは、法に規定がないため認められず不適法である。 第1 事案の概要:請求人は、建造物侵入被告事件の上告棄却決定(確定判決と同一の効力を有するもの)に対し、再審請求を行った。これに対し最高裁判所は、昭和48年4月25日に再審請求棄却決定を下した。請…
事件番号: 昭和48(し)22 / 裁判年月日: 昭和48年6月21日 / 結論: 棄却
特別抗告についての上訴権回復請求を受理した裁判所は、これを棄却する場合には、刑訴法三七五条、四一四条を類推適用して、右請求と同時にされた特別抗告の申立を自ら棄却することができる。