原判決後被告人が死亡し、そのことを理由として検察官から上告があり、当審が公訴を棄却した事例
刑訴法339条1項
判旨
被告人が死亡したときは、刑事訴訟法339条1項4号に基づき、決定をもって公訴を棄却しなければならない。
問題の所在(論点)
上告審の審理中に被告人が死亡した場合における、裁判所の取るべき措置(公訴棄却の要否)。
規範
被告人が死亡した場合には、刑事訴訟法339条1項4号の規定により、裁判所は決定をもって公訴を棄却しなければならない。上告審においても、刑法414条および404条を通じて同条項が準用される。
重要事実
被告人は公職選挙法違反の罪に問われ、広島高等裁判所において昭和49年7月9日に判決を言い渡された。検察官が上告を申し立て、最高裁判所に係属していたところ、昭和49年7月23日付の戸籍謄本により、被告人が同年7月20日に死亡した事実が判明した。
あてはめ
本件被告人は昭和49年7月20日に死亡しており、刑事訴訟法上の当事者能力を喪失している。上告審の手続規定である刑訴法414条および404条に基づき、第一審の公訴棄却規定である339条1項4号を適用または準用すべき事態に至っているといえる。したがって、実体的な審理を継続することはできず、公訴を棄却する決定を下すべきである。
結論
本件公訴を棄却する。
実務上の射程
被告人の死亡という客観的事実が判明した場合、裁判所は管轄や公訴提起の有効性を問わず、直ちに公訴棄却の決定を行う。答案上は、訴訟条件の欠如(当事者の存在)が判明した際の形式裁判による終結事例として記述する。
事件番号: 昭和42(す)94 / 裁判年月日: 昭和42年5月17日 / 結論: その他
上告棄却決定後、適法な異議申立期間内に、弁護人から右決定前に被告人が死亡していたことを理由として公訴棄却の決定を求める旨の異議の申立があり、右死亡の事実が明らかな場合には、右決定を取り消し、被告人に対する公訴を棄却すべきである。
事件番号: 昭和51(す)254 / 裁判年月日: 昭和51年12月21日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上告棄却決定に対する異議申立中に被告人が死亡した場合、裁判所は刑訴法339条1項4号を準用し、公訴棄却の決定をすべきである。 第1 事案の概要:被告人Aに対する公職選挙法違反被告事件について、最高裁判所が昭和51年11月12日に上告棄却決定を下した。これに対し、申立人らから異議の申立てがなされ、事…
事件番号: 昭和58(あ)1312 / 裁判年月日: 昭和58年10月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が上告提起後に死亡した場合には、刑事訴訟法339条1項4号に従い、公訴棄却の決定をすべきである。 第1 事案の概要:業務上過失致死傷および道路交通法違反の罪で起訴された被告人に対し、名古屋高等裁判所が判決を言い渡した。これに対し弁護人および検察官の双方が上告を申し立てたが、上告審での審理中に…