分割審理等に対する違憲主張を不適法とした事例
判旨
弁論の併合および分離の範囲は、受訴裁判所の合理的な裁量的判断によって決せられるべき事柄である。
問題の所在(論点)
裁判所が関連する被告人らの審理を分離・分割して行うこと(いわゆる分割審理)の適法性と、その判断枠組みが問題となった。
規範
弁論の併合(刑事訴訟法8条)または分離(同法313条1項)の範囲および実施は、訴訟進行の効率性や被告人の防御権への配慮等を総合的に考慮し、受訴裁判所の合理的な判断に委ねられる。
重要事実
第一審において、いわゆる分割審理(同一事件の被告人らや関連事件を分離して審理すること)が行われた。これに対し弁護人は、かかる審理方式が憲法37条(迅速な裁判、証人尋問権等)や憲法31条(適正手続き)に違反すると主張して上告した。
あてはめ
本件における第一審のいわゆる分割審理について検討するに、弁論の併合等の範囲は受訴裁判所の合理的判断によって決せられるべき事柄である。原判決が本件の分割審理を相当であると判断したことに誤りは認められず、裁判所の裁量権の逸脱・濫用はないといえる。
結論
第一審における分割審理は相当であり、憲法違反や法令違反にはあたらないため、上告を棄却する。
事件番号: 昭和50(あ)1541 / 裁判年月日: 昭和51年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における弁論の併合・分離は受訴裁判所の合理的裁量に委ねられており、共同被告人のいわゆる分割審理も裁判所の合理的判断に基づく限り適法である。 第1 事案の概要:被告人が共同被告人とされた事件において、第一審裁判所がいわゆる「分割審理」を行い、弁論を併合せず、あるいは一部を切り離して審理を進め…
実務上の射程
共犯事件等において審理を分ける「分割審理」の適法性について、裁判所の広範な裁量を認めたものである。答案上は、審理の分離・併合に関する裁判所の決定を争う際、裁量権の逸脱・濫用の有無を検討する基準として活用する。
事件番号: 昭和48(あ)2866 / 裁判年月日: 昭和49年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における分割審理(併合罪の一部分離・先行審理)は、審理の便宜上やむを得ない事情があり、かつ被告人の防御権に著しい支障を与えない限り、憲法31条、37条等に違反せず適法である。 第1 事案の概要:被告人が関与したとされる事件につき、第一審裁判所がいわゆる「分割審理」の手法を用いた。これに対し…
事件番号: 昭和49(あ)1767 / 裁判年月日: 昭和50年7月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁論の分離・併合は受訴裁判所の裁量に属する事項であり、第一審における併合審理の範囲や程度が相当であると認められる場合には、裁判所の判断に違法はない。 第1 事案の概要:被告人側は、第一審における併合審理の範囲や程度が不当であるとして、憲法31条(適正手続き)、37条(公平な裁判所の迅速な公開裁判)…
事件番号: 昭和50(あ)1860 / 裁判年月日: 昭和51年1月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における分割裁判(分離公判等)の実施は、受訴裁判所の合理的な裁量の範囲内に属し、その裁量を逸脱しない限り、憲法31条や37条に違反するものではない。 第1 事案の概要:被告人側が、第一審において行われたいわゆる分割裁判の実施について、憲法37条(公平な裁判所の迅速な裁判)、31条(適正手続…