原審判に司法行政の介入ありとする所論が理由がない旨付記された事例
判旨
弁論の併合・分離の範囲は受訴裁判所の合理的判断に委ねられるべき事柄であり、第一審におけるいわゆる分割審理も、その判断に誤りが認められない限り適法である。
問題の所在(論点)
裁判所が同一事件の被告人を分離して審理する「分割審理」を行うことの是非、および弁論の併合・分離に関する裁判所の裁量の有無が問題となった。
規範
弁論の併合(刑事訴訟法313条1項参照)の範囲は、受訴裁判所の合理的判断によって決せられるべき事柄である。
重要事実
被告人らの弁護人が、第一審において行われたいわゆる分割審理(同一事件の被告人ごとに公判を分離して審理すること)が、憲法31条、37条等の規定に違反する等と主張して上告したもの。
あてはめ
弁論の併合の範囲について、原審(二審)は受訴裁判所の合理的判断に委ねられるべきとしたが、本件の第一審における分割審理の判断に不合理な点は認められない。したがって、弁護人の主張は前提を欠き、憲法違反や法令違反の主張には当たらない。
結論
本件分割審理を相当とした原審の判断に誤りは認められず、上告を棄却する。
事件番号: 昭和49(あ)1475 / 裁判年月日: 昭和50年2月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁論の併合および分離の範囲は、受訴裁判所の合理的な裁量的判断によって決せられるべき事柄である。 第1 事案の概要:第一審において、いわゆる分割審理(同一事件の被告人らや関連事件を分離して審理すること)が行われた。これに対し弁護人は、かかる審理方式が憲法37条(迅速な裁判、証人尋問権等)や憲法31条…
実務上の射程
刑事訴訟法における弁論の分離・併合に関する裁判所の広範な裁量を認めたものである。答案上は、迅速な裁判(憲法37条1項)や審理の効率化の観点から、裁判所の訴訟指揮権の一環として併合・分離の合理性を肯定する際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和48(あ)2866 / 裁判年月日: 昭和49年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における分割審理(併合罪の一部分離・先行審理)は、審理の便宜上やむを得ない事情があり、かつ被告人の防御権に著しい支障を与えない限り、憲法31条、37条等に違反せず適法である。 第1 事案の概要:被告人が関与したとされる事件につき、第一審裁判所がいわゆる「分割審理」の手法を用いた。これに対し…
事件番号: 昭和47(あ)1392 / 裁判年月日: 昭和48年2月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において、原審で主張・判断を経ない憲法違反の主張や、単なる事実誤認、法令違反、量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人が憲法21条、31条違反(違憲主張)を理由に上告を申し立てた。しかし、これらの違憲の点は原審(控訴審)において主張されておらず、…
事件番号: 昭和50(あ)1541 / 裁判年月日: 昭和51年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判における弁論の併合・分離は受訴裁判所の合理的裁量に委ねられており、共同被告人のいわゆる分割審理も裁判所の合理的判断に基づく限り適法である。 第1 事案の概要:被告人が共同被告人とされた事件において、第一審裁判所がいわゆる「分割審理」を行い、弁論を併合せず、あるいは一部を切り離して審理を進め…
事件番号: 昭和50(あ)1887 / 裁判年月日: 昭和51年5月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法律上共犯関係に立たない多数の事件との併合審理を求める被告人の統一公判要求を退けることは、被告人の裁判を受ける権利等を侵害せず正当である。 第1 事案の概要:被告人らは、自らの被告事件と「昭和44年10月11月闘争」と称される多数の別個の事件について、一括して審理を行う「統一公判」を要求した。しか…