非常上告破棄自判事例(略式二重) 非常上告における破棄自判判決と法令適用の基準時
刑訴法458条1項但
判旨
確定した略式命令と同一の事実について、重ねて略式命令が発せられた場合、後になされた略式命令は刑事訴訟法337条1号に該当し、免訴の裁判をすべきである。
問題の所在(論点)
確定した略式命令と同一の事実について重ねて公訴が提起され、これに基づき略式命令が発せられた場合、刑事訴訟法337条1号(確定判決を経たとき)に該当し、免訴の対象となるか。
規範
確定判決を経た事件と同一の事実について、再び公訴が提起された場合には、刑事訴訟法337条1号により免訴の裁判をなさなければならない。これは略式命令による確定判決が存する場合であっても同様であり、裁判所は通常手続に移行させた上で、一事不再理の原則に基づき免訴を言い渡すべきである。
重要事実
被告人は、昭和46年4月1日の無免許運転の事実につき、同年6月24日に略式命令を受け、同年7月13日に確定した。しかし、検察官は同一の無免許運転および業務上過失傷害の事実について同年10月21日に再度略式命令を請求し、簡易裁判所は同月26日にこれを発し、11月14日に確定した。この後者の略式命令の適法性が非常上告により争われた。
あてはめ
被告人の無免許運転の事実は、先行する同年6月24日付の略式命令の確定により既に既判力が生じている。それにもかかわらず、後行の同年10月26日付略式命令は同一事実を審判の対象としており、刑事訴訟法337条1号の「確定判決を経たとき」に該当する。したがって、裁判所は当該事実について有罪を宣告することはできず、免訴の裁判をすべきであったといえる。これを見逃して略式命令を発したことは法令に違反し、被告人に不利益である。
事件番号: 昭和42(さ)3 / 裁判年月日: 昭和42年6月9日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】既に確定した略式命令と同一の公訴事実について重ねて公訴が提起された場合、確定判決があるときに該当し、刑訴法337条1号により免訴を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、無免許運転の事実により昭和41年8月4日に罰金1万円の略式命令を受け、同年9月17日に確定した。しかし、その後検察官は…
結論
後行の略式命令のうち、既に確定判決がある道路交通法違反の事実については免訴とし、併合罪の関係にある業務上過失傷害の事実についてのみ刑を言い渡すべきである。
実務上の射程
二重起訴や確定判決の看過があった場合に、非常上告手続等を通じてどのように救済するかを示す実務上の先例である。答案上は、略式命令の既判力が通常裁判と同様に及ぶことの根拠として利用できる。
事件番号: 昭和41(さ)1 / 裁判年月日: 昭和41年4月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】既に確定した裁判と同一の犯罪事実について、重ねて公訴が提起され、これに基づき略式命令が発せられた場合、当該後の裁判は刑事訴訟法337条1号に違反する。このような二重の確定裁判が生じた事態は、被告人の不利益が明らかであるため、非常上告の手続により原判決を破棄し、免訴を言い渡すべきである。 第1 事案…
事件番号: 昭和46(さ)2 / 裁判年月日: 昭和46年4月8日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】既に確定した略式命令と同一の犯罪事実について、重ねて略式命令が発せられた場合、その審判は法令に違反するため、非常上告に基づき後の略式命令を破棄し免訴すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、昭和45年4月16日に発生させた業務上過失傷害の事実について、同年5月27日付の略式命令請求に基づき、同年…
事件番号: 昭和41(さ)2 / 裁判年月日: 昭和41年5月27日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】既に確定した略式命令と同一の公訴事実について重ねて公訴が提起された場合、裁判所は刑訴法337条1号に基づき、判決で免訴を言い渡さなければならない。 第1 事案の概要:被告人は、昭和38年11月15日の無免許運転の事実について、同年12月5日に罰金6000円の略式命令が確定した。しかし、その後、検察…
事件番号: 昭和39(さ)2 / 裁判年月日: 昭和39年5月29日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】既に確定した裁判の公訴事実と全く同一の事実について、重ねて起訴がなされ有罪判決が確定した場合、後になされた裁判は憲法39条の一事不再理の原則に反し、刑訴法337条1号により免訴すべき違法なものである。 第1 事案の概要:被告人は、昭和38年1月20日の無免許運転の事実につき、同年2月13日に罰金6…