不適法な上告趣意の事例−原判決に対する不服の理由を具体的に示していないもの
判旨
被告人の上告趣意が原判決に対する不服の理由を具体的に示していない場合には、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
被告人が提出した上告趣意書が、原判決に対する具体的な不服の理由を欠く場合に、刑事訴訟法上の適法な上告理由として認められるか。
規範
刑事訴訟法における上告趣意書には、原判決に対する不服の理由を具体的に示さなければならず、具体的記載を欠くものは適法な上告理由として認められない(刑訴法414条、386条1項3号参照)。
重要事実
被告人が上告を申し立てたが、提出された上告趣意書において、原判決のどのような点にどのような不服があるのか、その具体的な理由が示されていなかった。
あてはめ
本件において、被告人の上告趣意は原判決に対する不服の理由を具体的に示していない。適法な上告理由となるためには、判決に対する具体的な批判や法令違反等の指摘が必要であるが、本件の趣意書にはそのような実質的な内容が含まれていないといえる。
結論
本件上告は適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
実務上、上告趣意書において形式的な不服の申し立てに留まり、具体的な理由を摘示しない場合は、審理に入ることなく門前払い(上告棄却)となることを示した極めて簡潔な決定である。答案上は上告の適法性を論じる際、具体的記載の必要性の根拠として参照し得る。
事件番号: 昭和46(あ)1833 / 裁判年月日: 昭和46年12月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意における憲法違反の主張は、原判決の具体的な違憲箇所および理由を特定しない限り、適法な上告理由とは認められない。 第1 事案の概要:被告人側(弁護人)が、原判決に対して憲法違反を理由として上告を申し立てた。しかし、その趣旨において、原判決の具体的な判断内容と憲法条項との抵触関係が明確に示され…