任意性を認めた原判断に誤りはないとされた事例
刑訴法411条1号,刑訴法411条3号
判旨
被告人の自白の任意性については、記録上の証拠を総合的に検討した結果、原審が任意性を認めた判断に誤りはないとした。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法319条1項に基づき、被告人の供述に任意性が認められ、証拠能力が肯定されるか。
規範
自白の証拠能力(刑事訴訟法319条1項)に関し、供述の任意性が認められるか否かは、取調べの状況や供述に至る経緯等の諸般の事情を総合的に考慮して判断される。
重要事実
上告人は、原判決が被告人の供述に任意性があるとした判断には誤りがある(任意性の欠如)と主張して、事実誤認および法令違反を理由に上告を申し立てた。
あてはめ
最高裁判所は、記録を精査した結果、原審が被告人の供述に任意性があると判断した点について、不当な点は認められないと評価した(具体的な取調べ態様や強迫の有無等の詳細は判決文からは不明)。
結論
被告人の供述の任意性を認めた原判断に誤りはなく、証拠能力を認めた結論は妥当である。
実務上の射程
本決定は、任意性に関する判断を事実認定の問題として処理しており、具体的な判断枠組みを詳細に示したものではないが、原審の任意性判断に不合理な点がない限り、上告審がこれを維持するという実務上の運用を確認するものである。
事件番号: 昭和27(あ)788 / 裁判年月日: 昭和28年7月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】検察官に対する供述の任意性が争われた場合であっても、任意性を疑わせる証跡が認められない限り、自白の証拠能力は否定されない。被告人の上告趣意が事実誤認や単なる訴訟法違反にすぎない場合は、刑訴法405条の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人A、B、Cらが、検察官に対する供述の任意性等を争…