原判決が法律判断を示していない事項についての判例違反の主張が不適法とされた事例 原審において主張判断を経ていない違憲主張が不適法とされた事例
憲法39条
判旨
刑事訴訟法405条の上告理由として、原審において主張および判断を経ていない憲法違反の主張や、原判決が判断を示していない事項に関する判例違反の主張をすることは認められない。
問題の所在(論点)
原審で主張・判断されていない憲法違反、および原判決が法律判断を示していない事項に関する判例違反の主張が、刑訴法405条の上告理由に該当するか。
規範
刑事訴訟法405条が規定する上告理由については、原審における主張および判断の有無が重要である。具体的には、(1)原審において主張および判断を経ていない憲法違反の主張、および(2)原判決が何ら法律判断を示していない事項についての判例違反の主張は、いずれも同条の上告理由には当たらない。
重要事実
上告人は、原判決に対して上告を提起した。弁護人が提出した上告趣意のうち、第一点は憲法39条違反を主張するものであったが、これは原審において主張および判断を経ていない事項であった。また、第二点は判例違反を主張するものであったが、これは原判決が何ら法律判断を示していない事項に関するものであった。
あてはめ
本件において、上告趣意第一点の憲法39条違反の主張は、原審の審理過程で争点化されず、判断もなされていない。また、第二点の判例違反の主張は、原判決が判断の基礎とした法律的見解そのものに対する不服ではなく、原判決が触れていない事項に関するものである。このように、原審の判断内容と直接結びつかない主張は、上告審の構造に照らし、適法な上告理由とはいえない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由にあたらないため、同法414条、386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
上告審における審判対象の限定を示す判例である。答案上は、事後審である上告審において、原審で現れていない新事実や新主張(特に憲法違反や判例違反の構成)を唐突に持ち出すことの不適格性を指摘する際の根拠となる。
事件番号: 昭和26(あ)5 / 裁判年月日: 昭和26年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、かつ同法411条の職権破棄事由も認められない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人側が上告を申し立て、弁護人が上告趣意書を提出した事案。最高裁判所は、提出された上告趣意の内容および訴訟記録全体を精査し、上告理由の有無を判断した。 第2 問題の所在…
事件番号: 昭和25(あ)2016 / 裁判年月日: 昭和25年12月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意に含まれていない事項について原判決が判断を示していない場合、その事項を理由として上告することはできない。また、職権破棄事由が認められない限り、刑事訴訟法411条に基づく救済もなされない。 第1 事案の概要:被告人側は、第一審判決における証拠説明の違法(上告趣意第一点)および訴訟手続上の違法…