別件懲役と重複した未決誤算入を理由にした破棄自判
刑法21条
判旨
本件未決勾留期間が別件の確定刑の執行期間と重複する場合、当該重複期間を本刑に算入することは、被告人に不当な利益を与えるものであり、刑法21条の適用を誤った違法なものとなる。
問題の所在(論点)
未決勾留期間が別件の確定刑の執行期間と重複する場合、当該重複期間を刑法21条により本刑に算入することができるか。
規範
刑法21条に基づく未決勾留日数の算入において、未決勾留期間が別件の確定判決に基づく刑の執行期間と重複する場合、その重複する日数は本刑に算入することができない。
重要事実
被告人は本件につき勾留されていたが、勾留中に別件の懲役10月の判決が確定した。そのため、昭和47年2月26日から同年12月25日まで別件の刑の執行を受けた。原審は、本件の控訴を棄却する際、原審における未決勾留日数のうち120日を本刑に算入すると判示したが、この120日のうち一部(21日分)は別件の刑の執行期間と重複していた。
あてはめ
被告人の原審における未決勾留期間のうち、99日を除く期間は、前示別件確定刑の執行期間と重複している。このように刑の執行と重複した未決勾留日数を本刑に算入することは、既に刑の執行として評価されている期間を二重に差し引くことになり、被告人に対して不当に利益を与える結果を招く。したがって、重複する21日分については未決勾留日数としての算入は認められないと評価される。
事件番号: 平成12(あ)408 / 裁判年月日: 平成12年7月13日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】他の確定判決に係る懲役刑の執行期間中になされた未決勾留は、刑の執行と重複するものであるから、刑法21条に基づき本刑に算入することはできない。 第1 事案の概要:被告人は覚せい剤取締法違反等の罪で第一審・第二審を通じて勾留されていたが、その勾留期間中の平成10年10月30日に、別件の覚せい剤取締法違…
結論
別件の刑の執行と重複する未決勾留日数を本刑に算入することは違法である。原判決のうち、重複期間を含む120日の算入を認めた部分は破棄を免れず、重複しない99日のみを算入すべきである。
実務上の射程
実務上、未決勾留日数の算入を検討する際は、被告人の受刑歴や別件の確定日・執行期間を精査し、重複がないかを確認する必要がある。答案上は、刑法21条の「算入」の限界を示す判例として、二重の利益付与を否定する趣旨から論じるべきである。
事件番号: 昭和61(あ)369 / 裁判年月日: 昭和61年10月21日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】懲役刑の執行と競合する未決勾留日数を、刑法21条に基づき本刑に算入することは許されない。本刑に算入できる未決勾留日数は、先行する刑の執行開始日の前日までに限られる。 第1 事案の概要:被告人は覚せい剤使用等の罪で勾留中、第一審で懲役10月の判決を受け、控訴した。しかし、被告人は以前に別件(条例違反…