一 上告棄却決定に対し、原審弁護人のなした異議申立は、不適法である。 二 (注)右弁護人は、原審弁護人として上告趣意書を提出したものである(昭和四六年(あ)第二四九四号、昭和四七年六月一日第一小法廷決定、棄却)。
上告棄却決定に対する原審弁護人の異議
刑訴法414条,刑訴法386条2項,刑訴法385条2項
判旨
上告棄却の決定に対する異議の申立ては、弁護人と認められない者によるもの、または法定の申立期間を経過した後のものは不適法であり、棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
上告棄却の決定に対する異議の申立てにおいて、(1)弁護人と認められない者による申立ての適格性、および(2)法定期間経過後の申立ての適法性が問題となる。
規範
上告棄却の決定に対する不服申立て(異議の申立て)が適法であるためには、申立人が不服申立権を有する適法な当事者または弁護人であること、および刑事訴訟法等の定める法定の申立期間内に申立てがなされることを要する。
重要事実
被告人の詐欺事件について最高裁判所が昭和47年6月1日に上告棄却の決定をした。これに対し、横山壽という人物が異議の申立てを行ったが、当該申立人は本件被告人の弁護人とは認められない者であった。また、当該申立ては、刑事訴訟法414条、386条2項、385条2項、422条に定める法定の期間を経過した後に提出されたものであった。
事件番号: 昭和43(す)283 / 裁判年月日: 昭和44年1月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する上告棄却の決定に対する異議の申立てについて、その理由がない場合には、刑事訴訟法の規定に基づき棄却すべきである。 第1 事案の概要:詐欺被告事件において、昭和43年12月12日に最高裁判所がなした上告棄却の決定に対し、弁護人が異議の申立てを行った事案である。 第2 問題の所在(論点…
あてはめ
本件申立人(横山壽)は、記録上本件被告人の弁護人であるとの確認ができないため、刑事訴訟法上の不服申立権を有しないといえる。また、申立書が提出された時期は、昭和47年6月1日の決定に対し同月22日の判断時点で既に法定期間(3日以内)を徒過していることが明白である。したがって、本件申立ては主体および時期の双方において不適法なものと解される。
結論
本件異議の申立ては不適法であるため、棄却を免れない。
実務上の射程
本決定は、決定に対する異議申立ての主体的要件(適格)と時間的要件(期間)を厳格に判断したものである。答案上は、不服申立ての適法性を検討する際の前提条件(主体・期間)を確認する基礎的な資料として機能する。
事件番号: 昭和60(す)230 / 裁判年月日: 昭和61年1月22日 / 結論: 棄却
上告棄却決定に対し弁護人選任届のない弁護士名義で意義申立書が提出された場合において、異義申立期間経過後にその弁護人選任届が追加提出されても、これによつて右の異議申立が適法有効となるものではない。
事件番号: 昭和27(き)2 / 裁判年月日: 昭和27年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした抗告棄却決定に対しては、再審の請求をすることは許されない。 第1 事案の概要:申立人が最高裁判所のした抗告棄却決定を不服とし、これに対して再審の請求を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所がなした抗告棄却決定に対して、再審の請求を申し立てることが許されるか(再…
事件番号: 昭和28(す)167 / 裁判年月日: 昭和28年5月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告棄却の決定をした場合、当該決定に対して異議の申立てをすることはできない。 第1 事案の概要:被告人Aが最高裁判所に上告を申し立てたが、最高裁判所は上告趣意が刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないと判断した。そのため、同法414条および386…
事件番号: 昭和42(す)278 / 裁判年月日: 昭和42年9月25日 / 結論: 棄却
上告棄却決定に対する異議申立について、申立書自体には何ら具体的理由が付されてなく、異議申立期間内に理由書の提出もないときは、刑訴法第四一四条、第三八六条第二項、第三八五条第二項、第四二六条第一項により申立を棄却すべきである。