未決過算入を理由にした破棄自判
刑法21条
判旨
未決勾留期間が別件の確定刑の執行期間と重複する場合、その重複部分は本刑への算入の対象とはならない。
問題の所在(論点)
未決勾留期間と別件の確定刑の執行期間が重複している場合、刑法21条に基づき、その重複部分を本刑に算入することができるか。
規範
刑法21条に基づく未決勾留日数の本刑算入において、当該期間が他の確定判決に基づく自由刑の執行期間と重複している場合、その重複部分は実質的に既決刑の執行として機能しているため、算入の対象となる「未決勾留の日数」には含まれない。
重要事実
被告人は、本件の控訴審継続中に別件で懲役2年6月の確定判決を受け、当該刑の執行が開始された。控訴審判決(原判決)は、本件の未決勾留日数のうち90日を本刑に算入したが、実際にはその期間の大部分が別件確定刑の執行期間と重複していた。記録上、重複していない未決勾留期間は11日間のみであった。
あてはめ
被告人は昭和47年4月28日に別件の刑の執行が開始され、同年8月4日に終了した。原審(控訴審)での未決勾留期間のうち、この別件執行期間と重なる部分は、実質的には確定刑の執行を受けていた期間である。したがって、未決勾留として評価できるのは、重複していない11日間に限定される。原判決が90日の算入を認めたことは、刑法21条の解釈適用を誤った違法がある。
結論
別件確定刑の執行と重複する未決勾留期間は本刑に算入できない。本件では、重複しない11日間のみを算入すべきである。
実務上の射程
刑法21条の「未決勾留日数」の範囲を画定した重要な判断である。実務上、被告人に余罪があり既決刑の執行が先行している場合、未決勾留日数の算入を検討する際には、既決刑の執行開始日(確定日等)を精査し、重複期間を排除して計算しなければならない。
事件番号: 昭和48(あ)1023 / 裁判年月日: 昭和49年6月27日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】本件未決勾留期間が別件の確定刑の執行期間と重複する場合、当該重複期間を本刑に算入することは、被告人に不当な利益を与えるものであり、刑法21条の適用を誤った違法なものとなる。 第1 事案の概要:被告人は本件につき勾留されていたが、勾留中に別件の懲役10月の判決が確定した。そのため、昭和47年2月26…