接見拒否処分を争う特別抗告事件につき、被疑者が釈放され、申立の利益を失つた事例
刑訴法39条
判旨
接見拒否処分の効力を争う手続において、被疑者が公訴を提起され、かつ保釈により釈放された場合には、当該処分の効力を争う利益が失われる。
問題の所在(論点)
接見拒否処分の対象となった被疑者が、公訴提起後に保釈され釈放された場合、当該処分の効力を争う法的利益が失われるか。
規範
準抗告や特別抗告などの不服申立手続において、申立ての対象となった処分の効力を争うにつき、実質的な判断を求めるべき法的利益(訴えの利益)が存続していることが必要である。
重要事実
被疑者Aは詐欺等の容疑で勾留中、検察官及び司法警察職員から接見拒否処分を受けた。その後、Aは当該事件について公訴を提起され、さらに保釈許可決定により身柄を釈放された。
あてはめ
本件では、被疑者Aは既に公訴を提起されており、かつ保釈許可決定によって釈放されている。この状態においては、過去になされた接見拒否処分の効力を当該手続(刑訴法39条3項に関連する手続)において争い、これを取り消すなどの実益はもはや存在しないと解される。
事件番号: 昭和44(し)21 / 裁判年月日: 昭和44年4月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】接見指定の取消又は変更を求める権利は、身体拘束中の被告人・被疑者に認められるものであるから、釈放後は申立ての利益を欠き、原決定を取り消す実益がない。 第1 事案の概要:申立人は、裁判官の発した勾留状により勾留されていた被疑者であった。申立人は検察官が行った接見指定に対して不服を申し立てていたが、最…
結論
被疑者が釈放された以上、接見拒否処分の効力を争う利益は消滅したというべきであり、本件抗告は理由がない。
実務上の射程
刑事訴訟法上の不服申立(準抗告等)における処分取消しの実益に関する判断。釈放後の接見交通権侵害については、本決定が示す通り不服申立手続では争えないが、別途、国家賠償請求訴訟等を通じて違法性を争う余地は残されている点に注意が必要である。
事件番号: 昭和54(し)54 / 裁判年月日: 昭和54年5月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】起訴前の勾留中になされた接見交通指定処分について、被疑者が釈放された場合には、当該処分の取消しを求める訴えの利益(不服申立ての実益)は消滅する。 第1 事案の概要:本件申立人は、起訴前の勾留中に検察官から弁護人との接見交通の指定処分を受けた。申立人はこの処分の当否を争い抗告を申し立てていたが、最高…
事件番号: 昭和49(し)45 / 裁判年月日: 昭和49年5月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留処分に対する不服申立てにおいて、当該勾留の期間が既に経過している場合には、処分の効力を争う利益が失われるため、申立ては不適法(理由がない)となる。 第1 事案の概要:検察官による勾留処分がなされたが、特別抗告の審理時点において、当該勾留処分の対象となっていた期間(昭和49年4月24日まで)は既…
事件番号: 昭和55(し)34 / 裁判年月日: 昭和55年4月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】検察官による接見拒否処分の効力を争う準抗告等の申立てにおいて、その後に被告人が起訴され、刑事訴訟法39条3項に基づく接見指定の余地がなくなった場合には、当該申立ては法律上の利益を欠き不適法となる。 第1 事案の概要:弁護人である申立人が、検察官による被告人との接見拒否処分の取消しを求めて特別抗告を…
事件番号: 昭和50(し)48 / 裁判年月日: 昭和50年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】接見指定処分により指定された日時が経過した後に申し立てられた不服申立ては、もはや処分の取り消し等によって回復すべき法律上の利益を欠き、不適法である。 第1 事案の概要:検察官は昭和50年6月12日、弁護人に対し、同年6月16日までは被告人と接見させない旨の接見指定処分を行った。弁護人はこの処分を不…