判旨
裁判所の職員が請求者と通じていたという事実が認められない場合、適正手続違反等を理由とする特別抗告は前提を欠き、実質的な法令違反の主張は適法な抗告理由とならない。
問題の所在(論点)
裁判所職員の不正を前提とする憲法違反の主張が、事実の裏付けを欠く場合に刑事訴訟法433条の適法な抗告理由となるか。また、実質的な法令違反の主張が同条の抗告理由に含まれるか。
規範
刑事訴訟法433条の特別抗告において、憲法31条(適正手続)や37条(被告人の権利)違反を主張する場合、その前提となる事実(裁判所職員の不正等)が記録上認められる必要がある。また、実質的に単なる法令違反を主張するものは、同条の抗告理由には当たらない。
重要事実
申立人は、損害賠償の請求者と越谷簡易裁判所の職員が通じていたと主張し、憲法31条および37条違反を理由として特別抗告を申し立てた。
あてはめ
記録を精査しても、越谷簡易裁判所の職員が請求者と通じていた事実は認められない。したがって、憲法違反の主張は前提を欠くといえる。また、その余の主張は、憲法違反の形式をとりつつも、その実態は単なる法令違反の主張にすぎず、刑事訴訟法433条が規定する限定的な抗告事由に該当しないと解される。
結論
本件抗告は、適法な抗告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
特別抗告の事由は憲法違反や判例違反に限定されており、事実誤認や単なる法令違反を憲法違反に擬して主張しても退けられるという実務上の運用を再確認するものである。答案上では、特別抗告の不服申立範囲の狭さを論じる際の補強材料として機能する。
事件番号: 昭和35(し)43 / 裁判年月日: 昭和35年12月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法32条は、法律に定められた裁判所によって裁判を受ける権利を保障するものであり、特定の具体的裁判所で裁判を受ける権利までを保障するものではない。したがって、裁判の公平を維持し難いおそれがある場合に管轄を移転させることは、憲法31条、32条、37条1項、76条3項に反しない。 第1 事案の概要:被…
事件番号: 昭和46(し)40 / 裁判年月日: 昭和46年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、判例違反を理由とする主張が判例の具体的な摘示を欠く場合、または単なる法令違反を主張するにすぎない場合は、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:申立人は本件について特別抗告を申し立てたが、その趣旨において判例違反を主張しながら、具体的にどの判例に違反するかという適示を欠い…
事件番号: 昭和46(ク)279 / 裁判年月日: 昭和46年9月10日 / 結論: その他
(省略)
事件番号: 昭和24(つ)68 / 裁判年月日: 昭和24年7月20日 / 結論: 棄却
最高裁判所が爲した決定に對してはさらに抗告を爲すことが許されないのは論を俟たぬところである。從つて本件抗告は不適法として棄却すべきものである。
事件番号: 昭和24新(つ)5 / 裁判年月日: 昭和24年9月7日 / 結論: 棄却
公判期日において刑訴法第一四六條により証言を拒んだ証人並びに供述をした証人の檢察官に対する各供述録取書及び被告人の司法警察職員に対する供述録取書を、檢察官が証拠として提出したのに対して、弁護人から証人の右供述録取書は同法第三二一條第一項第二号に定める要件を備えていないものであり、被告人の右供述録取書は同法第三二二條によ…