本件釈明請求に関する異議申立棄却決定(注、弁護人から請求のあつた釈明を検察官に求めないこととする裁判長の処分に対する異議申立を棄却したもの)のように、訴訟手続に関し判決前にした決定は、刑訴法四三三条一項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」にあたらない。
釈明請求に関する異議申立棄却決定と刑訴法四三三条一項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」
刑訴法294条,刑訴法309条2,刑訴法309条3項,刑訴法433条1項
判旨
判決前にされた訴訟手続に関する決定は、刑事訴訟法433条1項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」には該当せず、同条に基づく特別抗告の対象とはならない。
問題の所在(論点)
訴訟手続に関し判決前にされた決定が、刑事訴訟法433条1項の「この法律により不服を申し立てることができない決定」に該当し、特別抗告の対象となるか。
規範
刑事訴訟法433条1項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」とは、終局的な決定を指し、訴訟手続に関し判決前にされた決定はこれに含まれない。
重要事実
抗告人は、釈明請求に関する異議申立てを棄却した決定に対し、憲法31条違反を理由として特別抗告を申し立てた。当該決定は、本案判決前になされた訴訟手続に関する決定であった。
事件番号: 昭和46(し)30 / 裁判年月日: 昭和46年5月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟手続に関し判決前にされた釈明請求の異議申立棄却決定は、刑事訴訟法433条1項に規定する「この法律により不服を申し立てることができない決定」には該当せず、特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:本件は、訴訟手続において行われた釈明請求に対する異議申立てを棄却した決定に対し、抗告人が憲法3…
あてはめ
本件における釈明請求に関する異議申立棄却決定は、訴訟手続の過程で判決前になされたものである。判例(昭和29年10月8日決定)の趣旨に照らせば、このような中間的な決定は、同法433条1項の対象から除外されると解される。したがって、憲法違反を主張する抗告であっても、対象適格を欠くものといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
特別抗告の対象は限定的であり、判決前の中間的決定については、原則として独立した不服申立てを認めず、本案判決に対する上訴の中で争わせるという法意を認めたものである。答案上は、特別抗告の適法性を検討する際の「対象」の限定を論じる際に用いる。
事件番号: 昭和46(し)14 / 裁判年月日: 昭和46年3月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟手続に関し判決前にされた決定は、刑事訴訟法433条1項に規定する「この法律により不服を申し立てることができない決定」には該当せず、同条に基づく特別抗告の対象とならない。 第1 事案の概要:本件において、抗告人は証拠調決定に対する異議申立てを棄却する決定を受けた。これに対し、抗告人は憲法37条1…
事件番号: 昭和46(し)9 / 裁判年月日: 昭和46年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求を棄却した原決定に対し適法な不服申立てがなされず、裁判が既に確定している場合には、当該決定に対する特別抗告は不服申立ての利益を欠き不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は付審判請求事件の請求棄却決定(東京高裁昭和45年12月28日)に対し、異議申立てを行った。しかし、原決定はその異議申…
事件番号: 昭和51(し)22 / 裁判年月日: 昭和51年3月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟手続に関し判決前にした決定に対する異議申立てを棄却する旨の決定は、刑事訴訟法433条にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」には当たらない。したがって、かかる決定に対して同条に基づく特別抗告を申し立てることは不適法である。 第1 事案の概要:弁護人は、公判期日において、検察官…
事件番号: 昭和46(し)17 / 裁判年月日: 昭和46年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件抗告は、原決定の憲法違反を主張するものであるが、刑訴応急措置法18条1項に規定される適法な抗告理由に該当しないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人が原決定の判断について憲法違反を主張して本件抗告を申し立てた事案。具体的な事案の内容や、原決定がどのような法的判断を下したかについ…