判旨
付審判請求を棄却した原決定に対し適法な不服申立てがなされず、裁判が既に確定している場合には、当該決定に対する特別抗告は不服申立ての利益を欠き不適法となる。
問題の所在(論点)
付審判請求を棄却する裁判に対し適法な不服申立てがなされず、既に当該裁判が確定している状況において、当該手続に関連する決定に対してなされた特別抗告が、不服申立ての利益を欠き不適法となるか。
規範
裁判に対する不服申立てが適法であるためには、対象となる裁判が確定しておらず、かつ、申立人に当該不服申立てによって得られる法的利益(不服申立ての利益)が認められなければならない。既に裁判が確定している場合、特段の事情がない限り、重ねて不服を申し立てる利益は失われる。
重要事実
申立人は付審判請求事件の請求棄却決定(東京高裁昭和45年12月28日)に対し、異議申立てを行った。しかし、原決定はその異議申立てを不適法として棄却した。申立人は、この原決定(異議申立てを棄却した決定)に対し、憲法違反等を理由として本件特別抗告を提起した。
あてはめ
本件では、東京高裁による付審判請求の棄却決定に対し、適法な不服申立てがなされなかった。そのため、当該請求棄却の裁判は既に確定したものといえる。裁判が確定している以上、その後に原決定(異議申立棄却決定)の当否を特別抗告によって争ったとしても、既に確定した請求棄却の結果を覆すことはできず、申立人には本件特別抗告によって得られるべき法的利益が認められない。
結論
本件特別抗告は、不服申立ての利益を欠く不適法なものとして棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事訴訟手続における不服申立ての適法性を検討する際、対象となる裁判の確定状況と不服申立ての利益の有無を確認する根拠となる。特に付審判請求のような準起訴手続において、手続が既に終結し確定している場合の不服申立ての限界を示す判例である。
事件番号: 昭和55(し)141 / 裁判年月日: 昭和55年11月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求を棄却する決定が確定した後になされた特別抗告は、不服申立の利益を欠く不適法なものである。 第1 事案の概要:申立人は付審判請求を行ったが、昭和55年2月19日に旭川地方裁判所が請求棄却の決定をした。これに対し申立人が抗告したが、同年4月3日に札幌高等裁判所が抗告を棄却した。この抗告棄却決…
事件番号: 昭和49(し)20 / 裁判年月日: 昭和49年3月20日 / 結論: 棄却
付審判請求事件の特別抗告申立には刑訴法三六六条一項は準用ないし類推適用されない。
事件番号: 昭和46(し)29 / 裁判年月日: 昭和46年5月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく最高裁判所への特別抗告は、その対象となる決定又は命令に対して同法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、高等裁判所が下した原決定に対し、刑事訴訟法419条及び421条に基づき、当該高等裁判所に対して通常の抗告を申し立てること…
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…
事件番号: 昭和42(し)40 / 裁判年月日: 昭和42年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付随的申判請求(付記:検察審査会法上の用語との混同を避けるため、通常は「付審判請求」と称される)を棄却する決定に対して、直接最高裁判所に特別抗告を申し立てることは、刑事訴訟法433条の要件を備えず不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旭川警察署の氏名不詳の警察官による特別公務員暴行の事実につ…