判旨
付随的申判請求(付記:検察審査会法上の用語との混同を避けるため、通常は「付審判請求」と称される)を棄却する決定に対して、直接最高裁判所に特別抗告を申し立てることは、刑事訴訟法433条の要件を備えず不適法である。
問題の所在(論点)
付審判請求を棄却する地方裁判所の決定に対し、最高裁判所への直接の特別抗告(刑訴法433条)が認められるか、その適法性が問題となる。
規範
刑事訴訟法262条に基づく審判請求(付審判請求)を棄却する決定(同法266条1号)に対しては、最高裁判所に対する直接の特別抗告(同法433条)を申し立てることは許されない。
重要事実
申立人は、旭川警察署の氏名不詳の警察官による特別公務員暴行の事実につき、刑事訴訟法262条に基づき審判請求を行った。これに対し、旭川地方裁判所は、被疑者の実在や被疑事実の存在を認めることができないとして、検察官の不起訴処分を相当とし、同法266条1号により請求を棄却する決定を下した。申立人は、この棄却決定を不服として最高裁判所に特別抗告を申し立てた。
あてはめ
最高裁判所の判例(昭和28年12月22日大法廷決定等)に照らせば、本件のような審判請求棄却決定に対して直接特別抗告を申し立てることは刑事訴訟法上の制度として予定されていない。したがって、申立人の行った本件特別抗告は、刑事訴訟法433条が定める特別抗告の要件を満たさない不適法な申し立てであると解される。
結論
本件特別抗告は不適法であり、刑事訴訟法426条1項により棄却を免れない。
実務上の射程
付審判請求を棄却する決定に対する不服申し立ての経路を画した判例。司法試験等においては、準抗告や即時抗告などの他の不服申し立て手段が認められない局面で、特別抗告の適格性を判断する際の基礎的な先例として機能する。
事件番号: 昭和29(し)53 / 裁判年月日: 昭和29年10月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求を棄却する決定は、刑事訴訟法266条1号に基づく決定であり、これに対しては同法419条等により高等裁判所へ通常抗告をすべきである。したがって、直接最高裁判所へ特別抗告を申し立てることは、不服申立権の適法な行使にあたらず認められない。 第1 事案の概要:付審判請求がなされた事案において、地…
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…
事件番号: 昭和43(し)45 / 裁判年月日: 昭和43年6月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への特別抗告(刑訴法433条)が許容されるのは、その対象である決定または命令に対し、刑事訴訟法上他に不服を申し立てることができない場合に限られる。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能であった。しかし…
事件番号: 昭和46(し)29 / 裁判年月日: 昭和46年5月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく最高裁判所への特別抗告は、その対象となる決定又は命令に対して同法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、高等裁判所が下した原決定に対し、刑事訴訟法419条及び421条に基づき、当該高等裁判所に対して通常の抗告を申し立てること…
事件番号: 昭和50(し)38 / 裁判年月日: 昭和50年6月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく最高裁判所への特別抗告は、対象となる決定等に対して他に不服申立ての手段がない場合に限り許容される。高等裁判所への通常抗告が可能な決定に対し、これを経ずに直接最高裁判所へ抗告することは不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、原決定(詳細は判決文からは不明)に対し、刑事訴…