付審判請求の裁判が既に確定しているとの理由により、これに対する抗告棄却決定に対する特別抗告が棄却された事例
判旨
付審判請求を棄却する決定が確定した後になされた特別抗告は、不服申立の利益を欠く不適法なものである。
問題の所在(論点)
裁判が既に確定している場合に、当該決定に対してなされた特別抗告に不服申立の利益が認められるか。
規範
裁判が既に確定している場合には、その裁判に対する不服申立は、不服申立の利益(上訴の利益)を欠く不適法なものとなる。
重要事実
申立人は付審判請求を行ったが、昭和55年2月19日に旭川地方裁判所が請求棄却の決定をした。これに対し申立人が抗告したが、同年4月3日に札幌高等裁判所が抗告を棄却した。この抗告棄却決定に対し適法な不服申立がなされないまま期間が経過し、当該裁判は既に確定していた。
あてはめ
本件では、札幌高等裁判所による抗告棄却の決定に対し、適法な不服申立がなされないまま期間が経過している。したがって、請求棄却の裁判は既に確定しているといえる。このように確定済みの裁判に対してなされた本件特別抗告は、もはや争う余地のない対象に対するものであり、不服申立によって得られる法的利益が存在しない。
結論
本件特別抗告は、不服申立の利益を欠く不適法なものであるため、棄却される。
事件番号: 昭和46(し)9 / 裁判年月日: 昭和46年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求を棄却した原決定に対し適法な不服申立てがなされず、裁判が既に確定している場合には、当該決定に対する特別抗告は不服申立ての利益を欠き不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は付審判請求事件の請求棄却決定(東京高裁昭和45年12月28日)に対し、異議申立てを行った。しかし、原決定はその異議申…
実務上の射程
裁判の確定後になされた上訴・不服申立の適法性を論ずる際の根拠となる。刑事訴訟法における不服申立の利益の存否を判断する前提として、先行する裁判の確定状況を確認する必要性を示している。
事件番号: 昭和45(し)83 / 裁判年月日: 昭和45年12月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件において、第一審が確定した事実関係に基づき公務員職権濫用罪が成立しないと判断したことは正当であり、憲法違反等の主張は特別抗告の適法な理由にならない。 第1 事案の概要:本件は付審判請求事件である。第一審において、被請求人らによる公務員職権濫用罪の成立を否定する決定がなされた。これに対…
事件番号: 昭和45(し)89 / 裁判年月日: 昭和45年11月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑訴法433条に基づく特別抗告において、実質的に原決定の不当を主張するにとどまり、憲法違反の具体的根拠を示さないものは、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:申立人は、被疑者らに対する公務員職権濫用被疑事件について検察官がなした不起訴処分を不服として付審判請求を行った。第一審及び抗告審が…
事件番号: 昭和43(し)45 / 裁判年月日: 昭和43年6月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への特別抗告(刑訴法433条)が許容されるのは、その対象である決定または命令に対し、刑事訴訟法上他に不服を申し立てることができない場合に限られる。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能であった。しかし…
事件番号: 昭和63(し)79 / 裁判年月日: 昭和63年11月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求に係る被疑事実について公訴時効が完成している場合には、付審判請求を棄却すべきである。 第1 事案の概要:申立人は、被疑事実について付審判請求を行ったが、記録によれば当該被疑事実については昭和62年5月9日の経過をもって公訴時効が完成していた。原決定はこの公訴時効の完成を理由に請求を棄却し…