付審判請求棄却決定に対する特別抗告が被疑事実の公訴時効の完成により不適法とされた事例
刑訴法266条1号,刑訴法433条1項
判旨
付審判請求に係る被疑事実について公訴時効が完成している場合には、付審判請求を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
付審判請求の対象となる事案において、既に公訴時効が完成している場合の裁判所の措置(刑訴法262条以下の手続における時効完成の影響)。
規範
付審判請求がなされた事件において、請求に係る被疑事実の公訴時効が完成していることが明らかな場合には、実体審理に入るまでもなく、手続上の要件を欠くものとして請求を棄却すべきである。
重要事実
申立人は、被疑事実について付審判請求を行ったが、記録によれば当該被疑事実については昭和62年5月9日の経過をもって公訴時効が完成していた。原決定はこの公訴時効の完成を理由に請求を棄却し、これに対し抗告人が憲法違反等を理由に抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
本件における被疑事実は、昭和62年5月9日の経過により、刑事訴訟法上の公訴時効が完成していることが客観的な記録から明らかである。このように時効が完成している以上、公訴提起を擬制する付審判決定を行う余地はなく、原決定が時効完成を理由に請求を棄却した判断は正当であるといえる。抗告人が主張する違憲の論点は公訴時効の成否に影響しないため、判断を要しない。
事件番号: 昭和43(し)78 / 裁判年月日: 昭和43年11月21日 / 結論: 棄却
記録を調べてみると、申立人が本件被疑事実につき福島地方検察庁に告訴した当時すでに公訴時効の完成していたことが明らかであるから、同検察庁検察官森山英一が右被疑事実につき公訴を提起しない旨の処分をしたのは相当であるとした原決定の判断は相当であり、右被疑事実の内容である副検事による公訴提起が違憲であるかどうかの点について判断…
結論
本件付審判請求は、公訴時効の完成によりその理由を欠く(あるいは手続上不適法である)ため、棄却を免れない。
実務上の射程
付審判請求においても一般の公訴提起と同様に公訴時効の制限を受けることを確認した事例。答案上は、準起訴手続きにおける形式的適格性や、時効完成後の不服申立ての帰結を論じる際に参照し得る。
事件番号: 昭和43(し)25 / 裁判年月日: 昭和43年5月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、憲法違反を主張する場合には、原決定のいかなる点がどのように憲法条項に違反するかを具体的に主張しなければならず、抽象的な主張に留まるものは適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:申立人は、自身が告訴した公務員職権濫用被疑事件について検察官がなした不…
事件番号: 昭和55(し)141 / 裁判年月日: 昭和55年11月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求を棄却する決定が確定した後になされた特別抗告は、不服申立の利益を欠く不適法なものである。 第1 事案の概要:申立人は付審判請求を行ったが、昭和55年2月19日に旭川地方裁判所が請求棄却の決定をした。これに対し申立人が抗告したが、同年4月3日に札幌高等裁判所が抗告を棄却した。この抗告棄却決…
事件番号: 昭和40(し)82 / 裁判年月日: 昭和40年11月27日 / 結論: 棄却
申立人提出の昭和四〇年一〇月二二日付「回答」と題する書面によれば、抗告理由の追加記載が認められるけれども、右は抗告提起期間経過後提出にかかる不適法なものにつき、これに対しては判断を要しない。(昭和三四年(し)第一四号同年四月一三日第三小法廷決定、刑集一三巻四号四四八頁参照。)
事件番号: 昭和43(し)85 / 裁判年月日: 昭和43年11月13日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法第三六六条第一項は、いわゆる審判請求事件についてされた抗告棄却の決定に対し、右請求をした在監者が特別抗告の申立書を差し出す場合には準用ないし類推適用されないものと解すべきである。