判旨
控訴趣意書差出期間の最終日の通知が適法になされている場合、裁判を受ける権利を保障した憲法32条に違反しない。
問題の所在(論点)
控訴趣意書の差出期間の最終日の指定およびその通知がなされている場合において、当該手続が裁判を受ける権利(憲法32条)を侵害し、違憲となるか。
規範
刑事訴訟手続において、法令に基づき控訴趣意書の差出期間が設定され、かつその最終日が適正に通知されている場合には、当事者の防御権や裁判を受ける権利(憲法32条)を不当に侵害するものとはいえず、手続は適法である。
重要事実
本件における申立人は、控訴趣意書の差出期間の最終日の指定について、昭和46年1月24日に通知を受けた。申立人は、この指定や手続が憲法32条に違反すると主張して特別抗告を申し立てた。
あてはめ
記録によれば、申立人に対して昭和46年1月24日に控訴趣意書差出期間の最終日の通知がなされたことが明らかである。このように、期間の終期が明確に告知され、防御の機会が確保されている以上、裁判を受ける権利を侵害したとの主張は前提を欠く。また、その他の主張も単なる法令違反に留まり、刑訴法433条所定の抗告理由を構成しない。
結論
控訴趣意書差出期間の最終日の通知がなされている以上、憲法32条違反にはあたらない。したがって、本件特別抗告は棄却される。
実務上の射程
本決定は、刑事手続における期間指定の告知が適正であれば、憲法32条違反の問題は生じないことを確認したものである。実務上は、通知の事実関係が記録上明らかな場合には、違憲主張の前提を欠くとして排斥する際の論拠として機能する。
事件番号: 昭和31(し)46 / 裁判年月日: 昭和31年11月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法386条1項の規定による控訴棄却決定に対する異議申立ては、即時抗告の規定が準用され、その期間は3日である。期間経過後の不適法な異議申立てについては、自己等の責めに帰することのできない事由がある場合、上訴権回復の手続を併用すべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、刑事訴訟法386条1項に…
事件番号: 昭和45(し)5 / 裁判年月日: 昭和45年2月13日 / 結論: 棄却
控訴趣意書差出最終日指定後選任された弁護人に、あらためて最終日の通知をしなかつたことを違法でないとして、控訴棄却の決定に対する異議申立を棄却した原決定は、憲法三二条、一三条に違反しない。
事件番号: 昭和39(し)13 / 裁判年月日: 昭和39年3月12日 / 結論: 棄却
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選任届の提出された弁護人に対しては、右最終日の通足を要しないことは、当裁判所の屡次の判例−昭和二五年(あ)第二七七七号、同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁・昭和三六年(し)第四六号、同年一一月一四日第二小法廷決定、裁判集第一四〇号一二三頁・昭和三七年(し)第三五号、…
事件番号: 昭和26(し)5 / 裁判年月日: 昭和26年11月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】必要的弁護事件でない場合において、裁判所が被告人に対し職権で弁論を放棄するか否かの催告を行わずに控訴棄却の決定をしても、直ちに憲法32条に反する違法とはならない。 第1 事案の概要:必要的弁護事件ではない被告事件について、控訴裁判所(大阪高裁)が、被告人に対し職権で弁論を放棄するか否かの催告をする…
事件番号: 昭和46(ク)381 / 裁判年月日: 昭和46年12月23日 / 結論: 棄却
特別抗告の期間を五日と定める民訴法四一九条ノ二第二項の規定は憲法三二条に違反しない。