死刑事件
判旨
死刑の量刑判断は、犯行の性質、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、被告人の年齢・前科、犯行後の情状等の諸般の事情を慎重に考慮し、やむをえないと認められる場合には許容される。
問題の所在(論点)
死刑を選択する際の量刑判断の基準および考慮要素が問題となる。
規範
死刑は極刑であるから、その適用は慎重に行われなければならない。具体的には、犯行の性質、動機、態様(特に殺害方法の執拗性・残虐性)、結果の重大性(特に殺害された被害者の数)、遺族の被害感情、社会的影響、被告人の年齢、前科、犯行後の情状等の諸要素を総合的に考慮し、罪責が極めて重大であって、罪罰の均衡および一般予防の見地からも死刑の選択がやむをえないと認められる場合に限って許容される(本件判決文自体には具体的な判断基準の詳述はないが、判例法理としての趣旨を抽出)。
重要事実
本件における具体的な犯罪事実は判決文からは不明であるが、原判決は「諸般の事情を慎重に考慮」した上で被告人を死刑に処したものである。弁護人は事実誤認、法令違反、量刑不当を主張して上告したが、最高裁はこれらを上告理由にあたらないとした。
あてはめ
原判決が、諸般の事情(具体的な事実は判決文からは不明)を慎重に考慮して被告人を死刑に処したことは、刑事責任の重大性に照らし、やむをえないものと判断される。記録に照らしても、刑訴法411条を適用して原判決を破棄すべき顕著な不当性は認められない。
結論
本件上告を棄却し、被告人を死刑に処した原判決を維持する。
事件番号: 昭和46(あ)2312 / 裁判年月日: 昭和47年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の選択については、犯行の動機、計画性、殺害手段の残虐性、結果の重大性、犯行後の行状、被告人の前科や年齢等の諸般の情状を総合的に考慮し、被告人に有利な事情を参酌してもなおやむを得ないと認められる場合に許される。 第1 事案の概要:被告人は、50歳と21歳の無抵抗な婦女子2名を殺害した。犯行には凶…
実務上の射程
死刑制度の憲法適合性を前提とし、具体的な量刑基準(いわゆる永山基準に繋がる考慮要素)を実務上確認する際の基礎となる判断の一つである。
事件番号: 昭和62(あ)246 / 裁判年月日: 平成4年9月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の量刑判断においては、犯行の罪質、動機、計画性、態様、殺害方法の残忍性、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響等を総合的に考慮すべきであり、情状を酌量しても罪責が重大な場合には死刑が是認される。 第1 事案の概要:被告人は、借金返済のため、同僚の妻Bから健康保険証を奪って金員を詐取しようと計…
事件番号: 昭和57(あ)303 / 裁判年月日: 平成2年2月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の選択は、犯行の計画性、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、及び被告人の役割等を総合的に考慮し、その刑責が極めて重大であって罪刑の均衡や一般予防の観点からやむを得ない場合に認められる。 第1 事案の概要:被告人は、共犯者Aと共謀の上、約1か月の短期間に、何ら落ち度のない女性2…
事件番号: 平成16(あ)932 / 裁判年月日: 平成19年7月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑適用に際しては、犯行の性質、動機、態様、結果の重大性、遺族の処罰感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等を総合的に考慮し、罪責が誠に重大であって、極刑がやむを得ないと認められる場合に許される。 第1 事案の概要:被告人は、共犯者と共謀の上、利得目的で2名の男性をそれぞれけん銃で頭部を…
事件番号: 昭和47(あ)2082 / 裁判年月日: 昭和48年12月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の量刑が争われた事案において、本件犯罪の情状に照らし、第一審判決の死刑判決を維持した原判決の判断は、やむを得ないものとして適法である。 第1 事案の概要:被告人が犯した具体的な犯罪事実(殺人等の詳細)や犯行の背景については、提示された判決文からは不明であるが、第一審において死刑が言い渡され、原…