別件の刑に決定通算されるべき勾留と重複する未決勾留の日数を刑法二一条により本刑に算入することは許されない。
別件の刑に法定通算されるべき勾留と重複する未決勾留の日数の刑法二一条による本刑算入
刑法21条,刑訴法495条1項
判旨
別件の刑に法定通算されるべき勾留日数や、別件の懲役刑の執行と競合する未決勾留の日数は、刑法21条に基づき本刑に算入することはできない。
問題の所在(論点)
刑法21条に基づき未決勾留日数を本刑に算入する際、別件の刑に法定通算される勾留期間や、別件の既決刑の執行期間と重複する場合、これらを算入することができるか。
規範
刑法21条に基づく未決勾留日数の本刑算入において、①別件の刑に法定通算されるべき勾留と重複する期間、および②別件の刑(懲役刑等)の執行と競合する期間は、本刑への算入対象から除外される。
重要事実
被告人は傷害・殺人事件(本件)で勾留中、一審で懲役13年の判決を受け控訴した。控訴審(原審)の期間中、被告人は別件の賭博開張図利等(別件第一)の判決確定により刑の執行を受け、さらに別件の執行猶予取消(別件第二)による刑の執行も継続していた。原審は、これらの別件の刑執行等と重複する期間を含む未決勾留日数280日を本刑に算入したが、検察官がこれを不当として上告した。
あてはめ
被告人の原審における未決勾留のうち、別件第一の上告棄却決定告知日から確定前日までの4日間は、別件の刑に法定通算されるべき期間と重複している。また、別件第一の刑執行開始日(昭和44年10月22日)から別件第二の刑執行中に至るまでの期間は、既決刑の執行と競合している。これらの重複・競合期間は、刑法21条による算入が許されない。したがって、本刑に算入可能なのは、控訴申立日から別件第一の告知前日までの64日間に限られる。
結論
別件の刑への通算期間や刑執行期間と重複する未決勾留日数を本刑に算入することは違法である。原判決を破棄し、適法な範囲である64日のみを算入する。
実務上の射程
未決勾留の算入に関する基本的判断枠組み。実務上、被告人が余罪で受刑中の場合や別件で勾留中の場合、日数の二重評価を避ける趣旨で、本刑算入の限界を示すものとして重要である。答案上は、刑法21条の適用範囲を画定する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和41(あ)1109 / 裁判年月日: 昭和41年12月6日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】未決勾留と別罪の確定判決に基づく刑の執行が重なる期間は、未決勾留日数を本刑に算入することはできない。 第1 事案の概要:被告人は本件(収賄等)で昭和39年1月14日から勾留されていたが、別罪(賭博開張図利罪)により懲役1年6月に処せられ、同年10月27日に刑が確定した。同日から昭和41年3月2日ま…