判旨
有罪の言渡を受けた者の配偶者が再審請求を行うには、刑訴法439条1項4号に基づき、本人が死亡または心神喪失の状態にあることを要する。本人が健在であるにもかかわらず配偶者が行った再審請求は、法令上の方式に違反し不適法である。
問題の所在(論点)
有罪判決を受けた本人が死亡または心神喪失の状態にない場合であっても、その配偶者は刑訴法439条1項4号に基づき独立して再審請求を行うことができるか。
規範
刑事訴訟法439条1項4号に基づき、有罪の言渡を受けた者の配偶者が再審の請求をすることができるのは、本人が「死亡し、又は心神喪失の状態にある場合」に限定される。
重要事実
有罪判決を受けたAの配偶者である請求人が、自らの資格において再審請求を行った。しかし、本件において有罪の言渡を受けたAが死亡した事実や、心神喪失の状態にあるという主張はなされておらず、記録上もそれらの事実は認められなかった。
あてはめ
刑訴法439条1項4号の文言上、配偶者による再審請求権は本人の死亡または心神喪失を条件としている。本件請求人はAの配偶者として請求しているが、A本人が死亡または心神喪失の状態にあるとは認められない。したがって、同条の要件を満たしておらず、請求の方式を欠くといえる。
結論
本件再審請求は法令上の方式に違反するため、刑訴法446条により棄却される。
実務上の射程
再審請求権者の範囲に関する形式的要件を確認した事例である。本人以外の親族等による請求(439条1項4号、5号)については、本人の意思や状態を考慮した限定が付されており、答案上も条文文言を厳格に解釈する必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和44(き)1 / 裁判年月日: 昭和44年2月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求において、刑事訴訟法436条1項所定の事由の主張を欠き、かつ同規則283条所定の手続に違反する請求は、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:本件において、請求人は最高裁判所に対し再審の請求を行った。しかし、その請求内容には刑事訴訟法436条1項(上訴棄却の確定判決等に対する再審事由)…
事件番号: 昭和45(き)1 / 裁判年月日: 昭和45年3月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求の趣意が意義不明であり、刑事訴訟法436条1項に規定される再審事由の主張と認められない場合には、同法446条に基づき再審請求は棄却される。また、再審請求手続において第一審裁判所への移送を申し立てることは法律上許されない。 第1 事案の概要:請求人が最高裁判所に対して本件再審請求を行った。あ…
事件番号: 昭和43(き)3 / 裁判年月日: 昭和43年11月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審の請求は、刑訴規則283条に基づき、趣意書に加えて原決定の謄本、証拠書類および証拠物を添えて管轄裁判所に差し出すべきであり、これらを欠く請求は法令上の方式違反となる。 第1 事案の概要:再審請求人が、裁判所に対して再審の請求を行った。その際、再審請求人は再審請求の趣意書を差し出したが、刑訴規則…
事件番号: 昭和47(き)1 / 裁判年月日: 昭和47年4月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件再審請求の事由は、刑事訴訟法436条1項に規定される再審事由に該当しないため、請求を棄却すべきである。 第1 事案の概要:再審請求人が、確定判決に対して再審の申し立てを行った事案。具体的な再審事由の内容については、判決文からは不明。 第2 問題の所在(論点):再審請求人が主張する事由が、刑事訴…