判旨
死刑制度は憲法13条に違反せず、またその適用の結果として生じる差異も不合理な差別を伴わない限り憲法14条に違反しない。被告人の経歴や犯行態様の重大性を勘案して死刑を維持した判断は正当である。
問題の所在(論点)
死刑制度および死刑の宣告が、憲法13条(個人の尊重と生命権の保障)および14条(法の下の平等)に違反するか。
規範
死刑が憲法13条に違反しないことは、昭和23年3月12日大法廷判決の明らかにするところである。また、同判決の趣旨に照らせば、死刑制度自体およびその運用が合理的な理由に基づくものである限り、法の下の平等を定めた憲法14条にも違反しない。
重要事実
被告人が犯した殺人等の犯罪事実(詳細は判決文からは不明)に対し、第一審が死刑を宣告した。これに対し、被告人側が死刑は憲法13条(生命に対する権利)および14条(平等権)に違反するとして上告した事案である。原判決は、被告人の経歴、犯行の態様、および結果の重大性等の諸事情を考慮して、第一審の死刑判決を維持していた。
あてはめ
死刑制度の合憲性については既知の大法廷判決により確立されており、本件においてもこれを維持すべきである。また、憲法14条違反の主張についても、死刑の適用は犯行の情状や結果の重大性に基づいて行われるものであり、被告人の経歴や犯行態様等の具体的事情を総合的に勘案して死刑を選択した原判断には合理的な理由がある。したがって、不当な差別には当たらない。
結論
死刑制度は憲法13条に違反せず、本件への適用も憲法14条に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
死刑の合憲性を争う際の基本判例(昭和23年大法廷判決)を再確認する射程を有する。答案上は、死刑制度そのものの是非ではなく、量刑が憲法上の要請(比例原則や平等原則)に反していないかを検討する際の根拠として機能する。
事件番号: 昭和23(れ)1532 / 裁判年月日: 昭和24年3月29日 / 結論: 棄却
一 しかし死刑は憲法第一三條に違反するものではなくまた憲法第三六條の残虐なる刑罰に當らないということは當裁判所の判例とするところである。(昭和二二年(れ)第一一九號同二三年三月一二日大法廷判決) 二 原審Aの供述は一一ケ月前になしたる鑑定の結果に關するものであるとしても、これを唯一の證據として判示死亡原因を認定すること…
事件番号: 昭和28(あ)3581 / 裁判年月日: 昭和29年1月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑制度は憲法13条の公共の福祉による生命の権利の制限として許容されており、かつての関連事件を担当した弁護士が被告事件を担当することも直ちに違法とはならない。 第1 事案の概要:被告人は死刑を言い渡された刑事事件について上告した。弁護人は、①かつて別の関連事件(A事件)を取り扱ったことのある弁護士…