判旨
憲法は審級制度を立法に委ねており、検察官の上訴権を認める刑訴法351条や量刑不当を理由とする検察官上訴は、憲法13条および39条に違反しない。
問題の所在(論点)
検察官の上訴権を認めた刑事訴訟法351条、および検察官による量刑不当を理由とする上訴は、憲法13条(個人の尊重)や憲法39条(二重の危険)に違反するか。
規範
憲法は最高裁判所の性格を定めるほか、審級制度の具体的設計については何ら定めておらず、立法府が適宜定めることができる。また、有罪判決に対し検察官がより重い刑を求めて上訴することは、憲法39条の二重の危険の禁止等に抵触するものではない。
重要事実
被告人の有罪判決に対し、検察官が量刑不当を理由として上訴を行った。これに対し弁護側は、検察官に上訴権を認める刑事訴訟法351条、および量刑不当を理由とする検察官の上訴が、個人の尊重を定めた憲法13条に違反し、かつ二重の危険の禁止等を定めた憲法39条にも抵触する旨を主張して争った。
あてはめ
審級制度は憲法の許容する範囲内で立法政策に委ねられる。検察官による上訴は、被告人の身分を不当に拘束するものではなく、適正な刑罰権の行使を確保するための制度的合理性を有する。また、先行する大法的判例に照らせば、下級審の有罪判決に対して検察官がより重い刑を求めることは、一連の継続する手続内での審判の過程であり、二重の危険の禁止等の規定に違反するものでもない。したがって、本件の上訴制度に憲法違反の点はない。
結論
刑事訴訟法351条および量刑不当を理由とする検察官上訴は、憲法13条および39条に違反しない。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟法における検察官の上訴権の憲法適合性を裏付ける重要判例である。答案上は、検察官による不利益変更(より重い刑)を求める上訴が二重の危険に触れないか、あるいは審級制度が広範な立法裁量に属することを示す際に引用すべきである。
事件番号: 昭和27(あ)4500 / 裁判年月日: 昭和28年7月2日 / 結論: 棄却
一旦不起訴釈放した後、起訴したとしても遡及処罰又は一事不再理の違反であるといえないこと多言を要しない。
事件番号: 昭和30(あ)3442 / 裁判年月日: 昭和31年12月25日 / 結論: 棄却
検察官の上訴を認める制度または検察官による量刑不当を理由とする上訴は、憲法第三七条第一項第一三条に違反しない。