判旨
強盗殺人被告事件において無罪判決が確定した場合、未決の抑留・拘禁による身体の自由の制限に対し、刑事補償法に基づき日数を単位とした補償金を交付すべきである。
問題の所在(論点)
刑事訴訟手続において無罪判決が確定した場合、当該事件の未決勾留等による身体拘束に対する補償の成否及びその算定基準が問題となる。
規範
刑事補償法1条1項に基づき、刑事訴訟法による通常の構成により無罪の裁判を受けたときは、その裁判が確定する前に受けた抑留又は拘禁に対し、同法4条所定の割合による補償を請求することができる。
重要事実
請求人ら4名は強盗殺人被告事件につき起訴され、第一審・控訴審での有罪判決、最高裁による二度の破棄差戻しを経て、最終的に昭和43年に最高裁で無罪判決を受け、これが確定した。請求人らはこの間、逮捕・勾留により長期間にわたって身柄を拘束(抑留・拘禁)されていた。
あてはめ
請求人らは強盗殺人被告事件につき最終的に無罪の裁判を受け、その判決が確定している。記録によれば、各請求人は別表記載の通り逮捕・勾留による身柄の抑留・拘禁を受けていたことが認められる。これは刑事補償法1条1項の要件を満たす。補償金額については、拘束日数に応じ、同法4条1項・2項に則り1日あたり1,300円(当時)の割合で算出するのが相当である。
結論
請求人らに対し、それぞれの日数に応じた補償金(5,315,700円から3,615,300円の範囲)を交付する。
実務上の射程
刑事補償の具体的運用を示す事例。答案上は、冤罪被害に対する救済の根拠として刑事補償法1条1項を挙げる際の基準となる。なお、本決定は手続的な決定であり、具体的な裁量判断の要素については刑事補償法4条の規定に委ねられている。
事件番号: 昭和48(も)1 / 裁判年月日: 昭和48年12月10日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】刑事事件において無罪判決が確定した場合、刑事補償法1条1項に基づき、未決勾留の日数に応じた補償金を国は交付しなければならない。 第1 事案の概要:請求人は、公文書毀棄被告事件について起訴され、第一審および第二審で有罪判決を受けたが、最高裁判所にて原判決が破棄され、無罪判決が言い渡されて確定した。請…