判旨
最高裁判所がなした特別抗告棄却決定に対し、異議申立てや一部執行停止の申立てをすることは法律上許されず、不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所がなした特別抗告棄却決定等の判断に対し、不服申立てとしての異議申立てや執行停止の申立てをすることが認められるか。
規範
最高裁判所の決定(特別抗告に対する棄却決定等)に対しては、刑事訴訟法上、異議申立てや執行停止の申立てを認める規定は存在せず、法的に許容されない。
重要事実
被告人に対する保釈取消決定に対する抗告棄却決定がなされ、これに対してなされた特別抗告についても、最高裁判所が棄却決定を下した。この最高裁判所の棄却決定に対し、弁護士が異議申立ておよび保釈保証金没取決定に対する一部執行停止の申立てを行った事案である。
あてはめ
刑事訴訟法および関連法規を検討するに、最高裁判所が行った終局的な棄却決定に対し、さらに異議を申し立てることを認める法的根拠は見当たらない。本件で申立人は、既に特別抗告棄却決定という最高裁の判断が示された事項に対し、重ねて異議申立て等を行っているが、このような手続は法律上予定されていない。したがって、申立ての内容を問うまでもなく、手続自体が法律上許されない不適法なものであるといえる。
結論
本件各申立ては不適法であるため、棄却すべきである。
実務上の射程
最高裁判所の判断(特に決定)の確定後の争い方の限界を示すものである。司法試験においては、不服申立ての可否や手続の適法性が問われる場面で、明文なき不服申立てを否定する趣旨で引用し得る。
事件番号: 昭和43(し)9 / 裁判年月日: 昭和43年7月16日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和57(し)96 / 裁判年月日: 昭和57年9月3日 / 結論: 棄却
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【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告裁判所としてした決定に対しては、刑事訴訟法428条2項に基づく異議の申立てをすることはできない。したがって、かかる決定に対してなされた異議申立てを不適法として棄却した原決定に憲法違反の違法はない。 第1 事案の概要:申立人は、大阪地方裁判所による保釈保証金没取決定に対し、大阪高等裁…
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事件番号: 平成27(し)532 / 裁判年月日: 平成27年9月28日 / 結論: 棄却
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