保釈保証金没取決定が既に確定しているとして、これに対する抗告の申立が不適法であり、ひいて特別抗告の申立も不適法であるとされた事例
判旨
保釈保証金没取決定が確定している場合、当該決定に憲法違反があること等を理由としてさらに不服を申し立てることは不適法である。
問題の所在(論点)
既に抗告・特別抗告の手続きを経て確定した保釈保証金没取決定に対し、憲法違反等を理由として再度不服を申し立てることが認められるか。
規範
裁判所がした保釈保証金没取決定について、抗告および特別抗告の棄却を経て既に確定している場合には、同一の決定に対して重ねて不服を申し立てることは許されず、その申立ては不適法となる。
重要事実
東京地方裁判所が申立人に対し、保証書をもって代えることを許された保釈保証金20万円の没取決定をした。これに対し、申立人は抗告および特別抗告を行ったが、いずれも棄却され、当該没取決定は確定した。その後、申立人はさらに当該決定に憲法違反があること等を理由として特別抗告を申し立てた。
あてはめ
本件における保釈保証金没取決定は、昭和52年6月29日の東京高裁による抗告棄却決定、および同年7月21日の最高裁による特別抗告棄却決定により、既に適法に確定している。したがって、確定判決(決定)の効力により、同一の対象について再度憲法違反等を主張して争う余地はない。
結論
本件特別抗告の申立ては不適法であり、棄却を免れない。
事件番号: 昭和55(し)108 / 裁判年月日: 昭和55年9月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】保釈の取消しおよび保釈保証金の没取を決定するに際し、被告人等に陳述の機会を与えなくても、憲法13条および29条に違反しない。 第1 事案の概要:本件において、裁判所は被告人の保釈を取消し、あわせて保釈保証金の全部または一部を没取する決定を下した。これに対し、申立人(抗告人)は、当該決定を行うに際し…
実務上の射程
決定の確定後における不服申立ての遮断という当然の理を示したものである。司法試験においては、保釈保証金の没取手続(刑訴法96条)に関連し、不服申立ての限界や確定した裁判の効力が論点となる際、手続的適法性の文脈で引用し得る。
事件番号: 昭和56(し)86 / 裁判年月日: 昭和56年9月22日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法三六六条一項は、同法九六条三項による保釈保証金没取請求事件につき在監者が特別抗告を申し立てる場合に準用される。
事件番号: 昭和43(す)166 / 裁判年月日: 昭和43年8月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした特別抗告棄却決定に対し、異議申立てや一部執行停止の申立てをすることは法律上許されず、不適法である。 第1 事案の概要:被告人に対する保釈取消決定に対する抗告棄却決定がなされ、これに対してなされた特別抗告についても、最高裁判所が棄却決定を下した。この最高裁判所の棄却決定に対し、弁護…
事件番号: 昭和43(し)9 / 裁判年月日: 昭和43年7月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】保釈保証金没取決定(刑訴法96条2項)をするに際し、被告人または弁護人に陳述の機会を与えないことは、憲法29条および31条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が保釈中に逃走または召喚に応じなかった等の事情(詳細は判決文からは不明)により、第一審裁判所が刑訴法96条2項に基づき保釈保証金の没取を…
事件番号: 昭和43(し)40 / 裁判年月日: 昭和43年7月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】保釈保証金の没取決定において、決定前に告知、弁解、防御の機会が与えられていなくても、事後に抗告による不服申立ての機会が保障されている限り、憲法31条および29条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人の保釈保証金について没取決定がなされた。これに対し、被告人側は、決定に先立ってあらかじめ告知、弁解…