判旨
公職選挙法138条1項が定める戸別訪問の禁止規定は、憲法21条の保障する表現の自由を侵害せず、合憲である。
問題の所在(論点)
公職選挙法138条による選挙運動のための戸別訪問の禁止が、憲法21条(表現の自由)に抵触し違憲となるか。
規範
公職選挙法による戸別訪問の禁止は、選挙の公正を確保し、有権者の平穏な生活を維持するという正当な目的のための合理的で必要最小限度の制限であり、憲法21条に違反しない(昭和25年9月27日大法廷判決の趣旨を維持)。
重要事実
上告人は、選挙運動に際して戸別訪問を行ったとして、公職選挙法138条違反で起訴された。これに対し、上告人は同条が表現の自由を保障する憲法21条に違反し、無効であると主張して上告した。
あてはめ
判決文からは詳細な事実関係や当てはめは不明であるが、裁判所は過去の最高裁大法廷判決(昭和25年判決)を引用し、戸別訪問禁止の規定が表現の自由を不当に制限するものではないという判断を維持した。これにより、本件における禁止規定の適用も正当化される。
結論
公職選挙法138条は憲法21条に違反しない。したがって、上告を棄却する。
実務上の射程
選挙運動の自由に対する制限の合憲性を論じる際の重要判例。本判決は昭和25年大法廷判決を再確認するものであり、現在の憲法論においても、戸別訪問禁止の是非は「目的が正当で、手段が合理的かつ必要最小限か」という観点から論じる。ただし、表現の自由の重要性に鑑み、今日ではより厳格な審査基準(LRAの基準等)から批判的に検討されることが多い点に留意が必要である。
事件番号: 昭和45(あ)2315 / 裁判年月日: 昭和46年7月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法138条に定める戸別訪問の禁止規定は、憲法21条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は、選挙に際して特定の候補者への投票を呼びかける目的で、有権者の居宅を連続して訪問した。これが公職選挙法138条1項に規定する戸別訪問の禁止に抵触するとして起訴された。被告人側は、同規定が憲法21条が…