出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律二条は、憲法三一条に違反しない。
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律二条と憲法三一条
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律2条,憲法31条
判旨
出資法2条が定める預り金の禁止規定は、その構成要件が明確であり、憲法31条の適正手続の保障および罪刑法定主義の趣旨に反するものではない。
問題の所在(論点)
出資法2条が定める「預り金の禁止」の構成要件は、憲法31条(罪刑法定主義・明確性の原則)に照らして合憲か。
規範
刑罰法規の構成要件は、通常の判断能力を有する一般人の理解において、何が禁止されているのかが客観的に判断できる程度に明確でなければならない。しかし、出資法2条が禁止する「預り金」等の範囲は、同条の規定自体により明確に定められており、憲法31条が要求する明確性の原則に違反しない。
重要事実
被告人は、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(出資法)2条に違反して預金の受入れ等を行ったとして起訴された。弁護人は、同条の構成要件が不明確であり、憲法31条に違反する無効な規定であると主張して上告した。
あてはめ
事件番号: 昭和52(あ)186 / 裁判年月日: 昭和52年10月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出資法2条の預り金禁止規定および同法11条1項の罰則規定は、憲法29条、13条、14条、22条のいずれにも違反せず、同法2条の規定は不明確とはいえない。 第1 事案の概要:被告人らは、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(出資法)2条1項、2項に違反して預り金業務を行ったとして起訴され…
最高裁は、昭和36年4月26日の大法廷判決を引用し、出資法2条が預金の受入れ等の禁止範囲を明確に定めていると判示している。本件においても、同条の規定が一般人の理解を妨げるほど不明確であるとは認められず、憲法31条の趣旨に反する点はない。また、記録を精査しても刑訴法411条を適用して原判決を破棄すべき事由は存在しない。
結論
出資法2条は憲法31条に違反せず、上告を棄却する。
実務上の射程
刑罰法規の明確性の原則が争われる際、憲法31条の解釈として本判例(および引用される大法廷判決)を引用し、条文の文言から禁止範囲が客観的に確定可能であれば合憲であるという論法で用いる。
事件番号: 昭和34(あ)2414 / 裁判年月日: 昭和36年4月26日 / 結論: 棄却
一 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条、第一一条は憲法第二九条に違反しない。 二 右法律第二条第二項にいわゆる「不特定且つ多数の者」とは、一般大衆を指称するのであり、たまたまその中に少数の親族を含んでいたからといつて、これを除外すべきものではない。
事件番号: 昭和50(あ)1123 / 裁判年月日: 昭和50年9月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】出資法5条1項による高金利の規制は立法政策の問題であり、憲法22条(職業の自由)及び29条(財産権)に違反しない。 第1 事案の概要:被告人Bらは、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(以下「出資法」)5条1項に違反する高金利の契約・受領を行ったとして刑事訴追を受けた。これに対し、被告…
事件番号: 昭和37(あ)1829 / 裁判年月日: 昭和37年12月18日 / 結論: 棄却
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条第二項にいわゆる「不特定」とは、一般大衆を指称し、たとえ一定の団体または集団に所属する物に限定されていても、その所属員が相当多数であつて、金銭の受入者との間に親族、知己等の如き個人的なつながりがない場合は、これにあたる。
事件番号: 昭和33(あ)1571 / 裁判年月日: 昭和36年9月8日 / 結論: 棄却
出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条、第一一条は、憲法第一四条に違反しない。